Amazonやセブンイレブンなどで商品の配達業務への活用が進められているドローンだが、ピザのデリバリーという大本命(!?)の業務を行なうのももうすぐのようだ。
■年内にもピザの“ドローン宅配サービス”が実現
ピザチェーン大手のドミノピザは、年内にもニュージーランドの店舗でドローンによる配達を行なうと発表。アメリカのドローン開発スタートアップ、Flirteyとドミノピザが手を組み、ニュージーランドの選ばれたいくつかの店舗で“ドローン宅配サービス”を、今年冬にも開始すべく準備中であるという。ドローンの商業利用に積極的なニュージーランドの運輸当局も前向きに検討しており、現在は安全性などを確かめる配達飛行テストが重ねられているようだ。
配達に活用されるドローンは高度60mを時速30kmで飛行して移動し、配達エリアは店舗から半径約1.5km。将来的には店舗から約10kmを配達エリアにする構想が描かれているという。
配達先まで直線距離でアプローチでき、しかも信号待ちや渋滞に巻き込まれる心配もないドローンは、ピザが冷めない短時間での配達を可能にする。しかもドローンを複数台所有していれば、注文が重なっても随時ドローンに配達に向かわせることができる。配達要員の不足を解消する切り札にもなるのだ。
「New Atlas」の記事によれば、ニュージーランドはかねてからドローンの開発と商業活用に最も積極的な国のひとつであることから、“ドローン宅配サービス”の実現はもうすぐそこまで来ているようである。
■自動運転宅配サービスはすでに稼働中
ドミノピザではもうひとつ、すでに試験運用が行なわれているユニークな配達サービスがある。ロボットカー「DRU(ドリュ―)」による自動運転デリバリーだ。世界初の商業用自動運転配達ロボットであるDRUは、オーストラリア・クイーンズランド州の一部エリアですでに配達業務に大忙しである。
もともとは軍事ロボット開発のスタートアップ企業であるMarathon Roboticsとドミノピザがタッグを組んで共同開発したDRU、高さは約90cm、重量約190kgで、ボディはスチールやアルミ、強化プラスチックなどでかなり頑丈に作られている。歩道や道路を時速20kmで移動し、満充電で最大20㎞の連続走行距離を実現している。
配達先はGoogleマップとGPSを組み合わせたシステムで把握しており、機体に備え付けられた複数のカメラがドライブレコーダーの役割を担うとともに、映像を常時ストリーミング配信し配達状況をリアルタイムで確認することができる。
上方にせり出してくるキャリーボックスは、保温用と保冷用のスペースに仕切られていて、アツアツのピザと、冷え冷えのドリンク類を同時に運ぶことができる。配達の早さでは空路をいくドローンに敵わないとは思われるが、保温&保冷の体制は万全である。「Lifehacker」オーストラリア版によれば、2年以内にオーストラリア全土にDRUによる配達を広げていく計画があるということだ。
今後は陸路でも空路でもロボットによる宅配サービスが徐々に普及してくることは確実のようだ。とはいえ特に都市部で住宅密集地域が多い日本ではなかなか難しいかもしれないが、まず高層タワーマンションなどで“ドローン宅配サービス”が実現に向かうのではないだろうか。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・New Atlas
http://newatlas.com/dominos-pizza-delivery-drone/45092/
・Lifehacker
http://www.lifehacker.com.au/2016/03/dominos-is-launching-an-autonomous-pizza-delivery-robot/
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