「堺雅人さんに甘えちゃうんですよね」 声優・高木渉が語る『真田丸』の裏側とは?

1605_takagi.jpg高木渉。

 4月29日、30日に行われた「ニコニコ超会議」。29日の「超・真田丸」ブースには、多くの観客が詰め寄った。お目当ては、声優の高木渉。NHKの大河ドラマ『真田丸』で主人公・真田信繁の姉・松の夫である小山田茂誠役を演じて話題になっている、今もっともホットな声優だ。今回、「超・真田丸」ブースでは、歴ドルの小日向えりをMCに、高木渉のスペシャルトークショーが行われた。本稿ではその様子をレポートする。

 トークショーの出だしは、なんとも緩かった。高木渉が登場するなり、「(隣のブースの)『おそ松さん』に出ていましたよね」と話しかける小日向えり。高木渉も「じぐ蔵(※『おそ松さん』第3話に登場)でございます。……大丈夫ですか?」と返し、まさかのおそ松さんネタでスタート。

 そんな声優としての活躍も顕著な高木だが、大河ドラマに出演するきっかけを聞かれると、「NHKの人形劇『シャーロックホームズ』でジョン・H・ワトソン役をやらせていただいたとき、担当のプロデューサーが、大河ドラマのプロデューサーでもあったんです。それで、番組で一緒にお仕事をさせていただいたとき、『高木さん、映像の方は興味ないですか?』と言われ、『そんなことないです、やりたいです』って言ったら、『今度やる大河ドラマにちょうど渉君に合う役があるんだけど、やってみない?』と言われて。もう気持ちが舞い上がっちゃいました。それで、ぜひやらせていただけるならと言ったのが、きっかけですね」と明かした。

 そして、気になるファーストカットは、第3回の敵地から逃げてきたシーンだったそうだ。「クランクインしたのは9月上旬でした。長野県上田市でロケがあり、山奥で落ち武者みたいな格好で、崖から這い上がって出てきて、堺雅人さん演じる信繁に『兄上!』とびっくりされるあのシーンが初めてなんです。セリフは何もなかったんですけど、体全身で演じるという意味では楽しかったです。なんか、もう泥もいっぱい塗って。今日もその格好で来たかったんですけど(笑)」と笑いを誘った。

 続いて「初めてのシーンが逃げるシーンだったが、逃げ出したいと思った収録はあったか」質問されると、「もうやるとなったら仕方ないから、逃げ出したいと言っても、しょうがないんですけど。でも、やっぱり慣れていないですから、カメラが3、4台あって、『はい、本番』なんて言われると、逃げ出したくなっちゃう。緊張するってなっちゃう」とコメント。しかし、ファーストカットは楽しく演じられたそうだ。「『真田丸』のキャストのみなさん、スタッフのみなさんも本当に優しい方というか、和気あいあいとしているんですよね。とてもあたたかくて素敵なスタジオの雰囲気が番組の面白さにも反映されているのかなと感じます」と答える高木渉。

 一方で、第1回で主の小山田信茂が武田家から離反したことで、真田家に近い立場にいながら裏切らなければならなかったシーンについて聞かれると、「ずっと親方であった武田勝頼公を結果的に裏切るというか、あの時代は、それが生きるすべだったと思うんですけど。だけど、(武田勝頼に)『お返りください。何人たりとも、この門をくぐらせる訳にはいきません』と言っている時は、自分で演じながら、グッときましたね。それで、(武田側が)みんな行列を組んでくるじゃないですか。僕が『お帰りください』と言ったら、きびすを返して、諦めて帰っていくあの後ろ姿を観ているだけで、ぼろぼろと泣きたくなっちゃうくらいの撮影現場でした」と振り返った。

 そんな高木渉に、真田家の人物について聞く小日向えり。高木渉曰く、信繁は自分に近い存在だという。「だから、撮影現場でも、堺さん(堺雅人)に甘えちゃう」のだとか。「年齢はけっこう僕の方が上なんですけど、信繁みたいにすごく頼りがいがあるので甘えたり、弱音をはいちゃったりとか。そういうときに、堺さんは励ましてくれたりします。『映像というのは初めてですから、そういう意味では頑張ってください。渉さんは声優でベテランの役者さんですから。「真田丸」の中でも、芸人の方がいらっしゃったり、声優さんがいらっしゃったり、ミュージカルの世界の方がいらっしゃったりするので、いろいろな世界の方のいい部分が総合的に融合して、いい作品になればうれしいです』って、堺さんもおっしゃっていました。そういう意味では、僕も声優として今までやってきたことを、映像という畑で、茂誠を、心を込めて演じられればいいなと思っています」と高木渉は思いを語る。

 高木渉と堺雅人の仲の良い関係を聞き、小日向えりは、史実でも真田信繁が最後に手紙を送った相手は小山田茂誠だったとコメントを添えた。

 そして、出演者とのエピソードについては、「今は、スタジオの撮影が多いですけど、ロケに行くと夜のシーンがなければ、お仕事は終わりなので、堺さんとか大泉洋さんとかと、一緒にご飯食べたりしていますね」と答える高木渉。また、歴史上では、茂誠は信幸に付いてゆき、松代藩の次席家老になることを踏まえ、「僕、すごく仲良くさせてもらっている矢沢三十郎頼幸役の迫田君(迫田孝也)という子がいるんですよ。それで、迫田君とはしょっちゅう飲んだりしているんですけど、迫田君が『渉さん。今は茂誠がなんか“松の旦那”って、ちょっと僕の上みたいだけど松代藩に行ったら、僕の方が筆頭家老ですからね。もう茂誠さんは次席家老ですから』って、そんなことばかり言っていますからね。追々そうなっていくんですけどね」と出演者との愉快なエピソードを披露した。

 最後に、小山田茂誠にもし会えるとしたら、どんなことを聞きたいかと聞かれた高木渉。実際に、撮影を始めてから、小山田茂誠のお墓参りをしただけでなく、その子孫の家まで訪れ、仏壇のご位牌も拝ませてもらったそうで、それが本当に印象的だったという。「本当に会ってみたいと思うんですよ、茂誠さんに。あの時代を生き抜いたって、すごいことだと思うんです。会ったら何て言おうかな。僕の茂誠、大丈夫ですかって聞きたいですね。それから、やっぱり真田家を支えるために、当時、どんなことを心がけていたか、とか。一時、真田姓を許されたという話もありますよね。それだけ、真田一族になっていたと思うんですけど、その中で、東西に分かれてしまった家【編注:関ヶ原の戦いで、信繁と父・昌幸は豊臣方(西軍)に付き、兄・信幸は徳川方(東軍)に付く】をどんな心がけで支えているんですかと聞いてみたい。それを、こちらのドラマの撮影でも活かしたいなと思います」と高木渉は答えた。

 ニコニコ動画のコメントでは、髭についてのコメントが多かったようだ。自前の髭について聞かれると、「この髭は茂誠のトレードマークということで、実際の茂誠はこういう髭をしていたのかはわからないんですけど。撮影に入る前に、プロデューサーさんたちと打ち合わせをしていて、なんか印象に残る、ちょっとひげを蓄えていて強面なんだけど、実は優しい人というそんな路線で行きたいね、と話をしていて、それで髭を付けることにしたんです。もう、違和感なくなっちゃいました。普段の私生活の中でもずっとこのままなので」ということらしい。

 高木渉の大河ドラマ『真田丸』への想いが、いくつも飛び出した今回のトークショー。これから小山田茂誠がどんな活躍を見せてくれるのか、今後も『真田丸』から目が離せない!
(取材・文/桜井飛鳥)

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堺雅人に甘える高木さん(萌)

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