視聴率16.9％へ急落も、歴史好きやオタからは好評の『真田丸』。第6話目を視聴者の反応とともに振り返る

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『真田丸』公式サイトより。

　初回19.9％の好発進を見せ、第2話では20.1％をマークし、大河ドラマでは3年ぶりとなる視聴率20%の大台を獲得した『真田丸』。その後、第3話18.3％、第4話17.8％と推移し、第5話19.0％で盛り返したものの、第6話16.9％と再び数字を落としてしまった(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区／以下同）。

　だが、地上波・NHK総合よりも2時間早く『真田丸』を放送するNHK BSプレミアムでは、初回が3.3％、第2回が3.3％、第3回が3.5％、第4回が3.9％、第5回が4.5％と、尻上がりに、同局での大河ドラマ放送としては珍しいぐらいの高視聴率をマークしているのだ。加えて、ネット上の歴史好きをはじめとする視聴者たちの反応も悪くないので、そういった声と筆者の個人的感想を交えて、改めて紹介してみたい。

　第6話『迷走』は、織田信長が本能寺の変で倒れ、混乱する安土城から真田信繁（堺雅人）は明智勢に占拠された城から姉・松（木村佳乃）を連れて脱出を図る。その頃、真田家では織田家につくのか、北条家につくのか。真田昌幸（草刈正雄）、信幸（大泉洋）が次の手を考えあぐねていた……といったストーリー。

　ざっとネット上の声を拾ってみると、まず「前半かったるかった」「まつが身投げするまでがちょっと重いし暗い」と、前半の展開はちょっと……という声が多かった。たしかにここまで持ち上げといてなんだが、安土城からの逃避行はアクションも含めてパッとしない。

　思えば、前回の第5話『窮地』も殺陣が見せ場になってもよかった展開だったのに、徳川家康が刀を持ち上げ、ワーワーやっているぐらいだったし、もしかしたらアクションシーンにはあまり力を入れない方針なのかもしれない。なお女性と思われるファンからは「佐助（藤井隆）かっこいい！」「（女性たちが着ている）着物がカラフルすぎる」「ユニクロか」といった声も。男女で見るとこ、気になるところが違うんだなぁ、と改めて思いました。

　そんなわけで前半はちょっとまどろっこしいが、真田家がどの陣営につくのか、あっちこっち行ったりきたり、タイトルどおりの“迷走”ぶりを見せる展開で、北条家、滝川一益、そして一瞬だが羽柴秀吉（小日向文世）も登場するなど、いよいよ歴史上の大物たちが顔を揃えてきた。「高嶋正伸の北条氏政、いいね」「滝川、哀れすぎる」とネット上も大喜びだったが、一方で“この段階では、織田家で誰が武力・権力を持っていたか？”という議論で白熱。さらに、『真田丸』の歴史考証を務める丸島和洋氏（@kazumaru_cf）がTwitterで“織田―徳川はいつ「対等」から「従属」になったか？”について、丁寧すぎる解説ツィートを連発。歴史好きが大喜びでまとめていたりするので、興味がある人はググってみよう。

　さてラストは、信繁の言葉に勇気づけられ、真田家独自の力で生き残ることを決意するという、格好いい昌幸（草刈）の表情で締めた第6話。「相変わらず悪そうな顔が格好いい」「今回はちょっと地味だったけど、締めはよかった」と、草刈・昌幸が堺・信繁をはるかに上回る人気ぶりとなっている。

　史実に沿うなら、かなり終盤になるまで昌幸の活躍は続くはず。このままでは、後々「『真田丸』の真の主人公は草刈だった」という声が上がるだろうなと思ったりするもするので、堺・信繁が、そんな現状の評価を覆す活躍を今後見せられるのか、注目してみたい。　

　ほかにも、声の演技はもう何年も何十年も聞いているけど、動いているところ、ましてやアクションシーンが未だに新鮮な、松の夫である小山田茂誠役を演じる高木渉がなかなかよかったり、相変わらずシブサワ・コウ監修の3Dマップがわかりやすかったりと、おたぽる的にもうれしくなるシーンが多かった。

　なお、安土城脱出シーン中で、明智勢に追い詰められた松が足手まといになるのを嫌い、崖から身投げする。かろうじて生き残るも、記憶喪失になっている模様……という一連の流れに対しては、「崖が2時間ドラマに出てくる崖みたい」「韓国ドラマか」「松、不死身すぎるwww」という声もあれば、「松、生きてて良かった！」という喜びの声もあった。「木村佳乃クラスを起用して、ここで死ぬわけがない」という声にはうなずくばかりだが、女性キャラクターもいいけど、見ていてホッコリする徳川家にもっとカメラを向けてほしいと思ったのだが、いかがだろうか。
文／馬場ゆうすけ