『アイアンマン』“トニーごっこ”ができる!? VR技術で置き場に困らない大画面モニタが出現!

『アイアンマン』トニーごっこができる!? VR技術で置き場に困らない大画面モニタが出現!の画像1Steam「Virtual Desktop」

 古くは映画『JM』のキアヌ・リーブス、昨今では『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr、といきなり言われても何のことやら見当もつかないのは当然だが、どちらの映画の中でも拡張現実空間にあるOSを両手を器用に使って操作している印象的なシーンがある。いずれも将来のコンピューティングを予見させるシーンなのだが、次世代VR機器の登場でいよいよこの“VRオペレーションシステム”が実現することになる。

■VR空間に60インチのディスプレイが出現

 いよいよ幕が開けた次世代VRゲーミング時代だが、Oculus Riftが約8万円(税込み、送料別)、HTC Viveが約11万円(税込み、送料別)、PS VRが4万4980円(税別)と、ちょっと予想より高価な印象を持つ向きも少なくないだろう。

 だがこう考えてみたらどうだろう。次世代型VRゴーグル(HMD)を買えば、プラス1480円のアプリで60インチの液晶ディスプレイを入手できて、しかも置き場所に困らないとしたら!? この「Virtual Desktop」はまさにPCからディスプレイを不要にするかもしれない可能性を秘めたユーティリティソフトだ。

「Virtual Desktop」紹介動画 「Guy Godin」より

 3月31日よりSteamでリリースされている「Virtual Desktop」の価格は約1480円。対応するHMDは今のところ、Oculus RiftとHTC Viveの2機種でWindows8以上のOSに対応している。PC歴がそれなりに長い中年以降の諸兄にとって、CRTディスプレイからカラー液晶ディスプレイへの移行は画期的な出来事であったと思うが、それ以上のディスプレイ革命が、今後用意されていると言っても過言ではなさそうだ。

 紹介動画によれば、HMDを装着すると前方に大きなPCディスプレイが広がっている状態になる。ディスプレイの画面の大きさ、ディスプレイとの間の距離など細かく設定することで、調節が可能であるようだ。360度の“壁紙”の中に複数のディスプレイを配置することもでき、映画はもちろんあらゆるPCゲームを楽しむことができる。

 現状では両手で操作するVRコントローラ「Oculus Touch」がまだリリースされていないこともあり、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jrのように両手を激しく使ってOSを操作するということにはならないが、コントローラやマウスで快適に操作ができるということだ。ただひとつネックなのは、キーボード入力を行なう際はブラインドタッチが要求される点だ。文書作成作業での使い勝手の向上は今後の課題にはなるが、現状ではそもそも文字入力作業をVRで行なおうというニーズはあまり多くはないだろう。

 片目あたり1080×1200ドットのパネルを2枚使っているOculus Riftは、両眼で2160×1200ドットの解像度を実現しているが、それでも実際の高精細大型液晶ディスプレイに比べてしまえば見劣りがするだろう。しかし少なくとも今後のコンピューティングにおいて、モニターを使わない選択肢が現実となったことの意味は非常に大きいと言えそうだ。

■ヨーロッパで初めての“奇妙な”VR映画館がオープン

 次世代VR元年を迎え、日本でもナムコが10月中旬までの期間限定でVR体験エンターテインメント施設「VR ZONE Project i Can」(東京・お台場ダイバーシティ)をオープンしたりと体験イベントが盛んだが、海外でも各所で新たなVRエンターテインメント施設が登場しているようだ。

 オランダ・アムステルダムでは3月2日にVR映画館「The Virtual Reality Cinema」がオープンしている。ヨーロッパで初めてのVR映画館であるということだ。専用のメガネをかけて観賞する3D映画は徐々に普及しているともいえるが、この「The Virtual Reality Cinema」では観客全員がVRゴーグルを装着してVRムービーを観賞するという施設だ。料金は12.50ユーロ(約1560円) で上映時間は35分。ちなみに座席はOAチェアのように滑らかに回転するタイプで、思わず左右に頭を振ってしまった場合、身体のほうにも影響が及び“浮遊感”も演出している。

「The Virtual Reality Cinema」紹介動画 「samhoudinspirations」より

 しかし考えてみてほしい、そもそも“現場”に行かなくとも現場の臨場感を味わえるのがVR技術である。わかりやすく言えば、映画館に行かなくとも映画を(場合によっては劇場で観ているかのように)観賞できるのがVR技術のはずだ。したがってこの施設に集まった一同がVRゴーグルを装着しているというのもなかなか不思議な光景だろう。そして実際、情報サイト「Mashable」の記事などでも“とても奇妙だ”と論じている。ひょっとすると、VRゴーグルを外して周囲の“観客”をいろいろと観察していたほうが面白いのかもしれない!?(苦笑)

 しかしVRムービーがどんなものかちょっと体験してみようという向きには、お試しできる場所として確かに有意義な場所であろう。ともあれこのような施設を通じてVR体験者は着実に増えていくことは確かである。この“お試し期間”を経て一気に普及していくのか、それとも3Dテレビのような末路になるのか、どちらにしてもこれからの1、2年で大勢が決してきそうである。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Engadget
http://www.engadget.com/2016/04/18/virtual-desktop-vr-windows/

・Mashable
http://mashable.com/2016/03/07/vr-cinema-amsterdam/#wyJuiOQYYqqE

Virtual Desktops - Simple Steps to Win, Insights and Opportunities for Maxing Out Success

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