“VR酔い”解消へ向けて各社凌ぎを削って開発中のGVS技術とは?

1604_Entrim-4D.jpg「SAMSUNG」公式サイトより。

 すでにOculus Riftを入手して楽しんでいる人々も現れはじめ、ついに幕が開いた次世代VRゲーミング時代だが、ちょっと厄介な問題として以前から取り沙汰されているのが“VR酔い”だ。しかしアメリカの有名病院が開発した新技術によって、VR酔いを起すことなく、安心してVRゲームを満喫できるようになるということだ。

■目の前の映像と三半規管を“同期”するGVS技術

 米・ミネソタ州の総合病院、メイヨー・クリニックは先日、傘下のスタートアップ会社のvMocionと共にHMDでVRゲームを楽しむ際に起る“VR酔い”を解消する実用可能な技術を発表した。これはGVS(Galvanic Vestibular Stimulation)と呼ばれ、VR(AR)機器の使用によって起りうる吐き気や乗り物酔いの症状を防止するための新技術である。

 動きの早いアクションシューティングゲームなどでは、2Dであっても“酔う”ことがあるのは、ゲーム好きならご存知の通りだ。これは画面の動きに対応しているうちに実際の乗り物酔いと同じように、三半規管が上手く働かなくなってしまうことで“酔い”は起きる。2Dとは比べ物にならない没入感を演出するVRゲーミングだけに、さらに酔いやすくなるのではないかという、懸念が強まるのも無理はない。

「GVS」紹介動画 「vMocion」より

 今回発表されたGVSは、微弱電流の刺激をオデコの部分と後頭部の下のうなじの部分に加えることで、現在目の前に広がっている映像と内耳(前庭器官)の感覚を“同期”させることが可能になるということだ。これによって視覚と身体感覚のズレがなくなり、“VR酔い”が発症し難いコンディションを整えられるのだ。

「ビデオゲームや映画、アミューズメント施設などにこのGVSの不思議な運動感覚を加えることで、まったく新しい、真の“没入感覚”を味わうことができるのです」と、vMocionの会長であるブラッド・ヒルストーム医師はニュースリリースで語っている。このGVSは単なる“酔い止め”ではなく、よりVR環境の臨場感を高めてくれる技術でもあったのだ。

 もともとは国家機関の要請により、宇宙空間での平衡感覚を保つための技術として、11年も前から研究されてきた背景を持つこのGVSだが、VRゲーミング時代を迎えた今日、意外なかたちでの民間転用が可能になったということになる。今後どのようにこのGVSが普及していくのか注目したい。

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