ムスリムのUFCファイターが勝利後に十字を切っていた! GDCではゲーム内“ムスリム表現”も議題に

1604_UFC.jpg「EA SPORTS UFC 2」公式サイトより。

 熾烈な総合格闘技の試合で、見事勝利を飾ったファイターが歓喜の雄叫びとともに、人差し指で天を指す――。良く見られる光景であるが、あるビデオゲームの世界ではこのポーズをムスリム(イスラム教徒)の選手がしていたことで、ちょっとした騒ぎになっている。

■ムスリムの選手が十字を切っていた

 2012年に巻き起こったビデオゲーム業界を舞台にしたスキャンダル“ゲーマーゲート問題”で、それまでの業界がいかに“白人男性”によって占められているかが浮き彫りになり、ビデオゲーム業界の自浄のために、多様な文化を取り込む“ダイバーシティ”が叫ばれるようになった。そして今日にいたるまで業界をあげての努力が続けられているが、それでもちょっと気を抜けば思わぬところに落とし穴が待ち構えているようだ。

「ボクはムスリムであって、キリスト教の洗礼も受けていない。お願いだから、EAスポーツはゲームの中のボクが試合に勝った後に人差し指を上に向けさせないでくれ。ボクにはムスリムのファンがたくさんいるし、EAも彼らを配慮しなくてはならないよ」と、3月19日にTwitterに書き込んだのは、UFCでも活躍している総合格闘家のハビブ・ヌルマゴメドフ選手だ。彼はロシア国籍の選手だが、帰依している宗教はイスラム教。

 EAスポーツが3月15日に発売した、総合格闘技ゲーム『EA Sports UFC 2』に登場するハビブ・ヌルマゴメドフ選手は、試合に勝利した後に、人差し指を天に向けてから胸の前で十字を切る仕草を行なっているのだ。これはクリスチャンが行なう神への感謝のポーズ「クリスチャン・セレブレティ」であり、ムスリムの彼にとっては有り得ないことである。

勝利後の「クリスチャン・セレブレティ」 「YouTube」より

 これを知ったEAスポーツは、すぐさまヌルマゴメドフ選手に謝罪。アップデートで修正することを約束している。同選手がロシア人であるという先入観からくる、単純なミスであったようだ。ヌルマゴメドフ選手のほうもEAスポーツの謝罪を快く受け止め、「今後は登場する選手の宗教にもじゅうぶん配慮してください」とコメントしている。これもまた実在の選手が登場するゲームならではの出来事といえそうだ。

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