Steamユーザー評価No.1を獲得したレトロな癒し系JRPG『Undertale』に注目が集まる

■思い出されるファミコンゲームの名作『MOTHER』

 ゲームのオープニングで『Undertale』の舞台が説明される。かつてこの世は人間とモンスターが共存していたのだが、ある日、両種族の間で戦争が勃発。長く続いた戦争は人間側の勝利に終わり、勝った人間はモンスターたちを地下に封印。その後地上は人間の天下となったのだ。だが平和な地上にも地下世界に通じている場所“エボット山”があった。201X年、主人公の少年がエボット山の登山中に穴に落ち、モンスターがはびこる地底世界で目覚めたところからゲームははじまる。

 地下世界で主人公が最初に出会うことになるのは、フロウェイ(Flowey)という、ヒマワリのような姿をした性悪キャラクターでゲームの序盤から意地悪をされてしまうのだが、このフロウェイを追い払って助けてくれるのが、母のような愛で主人公を包んでナビゲートしてくれるトリエル(Toriel)だ。彼女の教えによって主人公は、この世界では襲ってきたモンスターたちを倒さなくとも、会話や説得で心を通い合わせて争いを止めることができることを知るのだ。それでも「戦闘」コマンドは用意されておりモンスターを倒すこともできるのだが、ゲーム全体を通して一切戦わずにクリアすることが可能だという。このように時折襲ってくるモンスターをうまく丸め込みつつ(!?)、パズルを解きながら地下世界に張りめぐらされたダンジョンを回ってストーリーが展開していく。

 この『Undertale』の話題で思い出されてくるのが、ファミコンゲームの名作『MOTHER』ではないだろうか。『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』に代表される剣と魔法のRPGとは異なり、日常生活の延長線上の町を舞台にしたカジュアルテイストな世界観で、戦闘シーンでは相手を我に帰らせたり、おとなしくさせたりすることで戦いを終わらせ、決して倒すわけではない。そしてタイトルが示す作品のテーマでもある“母性愛”に包まれ、守られた感覚をプレイヤーにもたらす演出は、この『Undertale』と相通ずるものがありそうだ。精緻なグラフィックのAAAタイトルが全盛を迎え来年にはVRゲーミングも本格的に始動するといわれている今日、グラフィックも世界観もまさに“癒し系”ゲームである『Undertale』が今人気を集めている現象はなかなか興味深いのではないだろうか。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Steam
http://store.steampowered.com/app/391540/

・『Undertale』公式サイト
http://undertale.com/

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