配役ミス!? 『バクマン。』キャスティングの裏に“事務所の意向”

1405_bakuman_cast.jpg映画バクマン。公式HPより。

 佐藤健と神木隆之介で実写映画化されることが決定した『バクマン。』。しかし、そのキャストが発表されるや否や、「配役が逆だろ」という総ツッコミがネット上に吹き荒れた。

 原作を知らない方に説明すると、『バクマン。』は、『DEATH NOTE』の大場つぐみ(原作)と小畑健(作画)のコンビが再びタッグを組み、「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載。ダークヒーロー・ブームを築いた『DEATH~』から一転、マンガの世界で切磋琢磨する少年を主人公に、「ジャンプ」の王道である“友情・努力・勝利”を見事に表現していた。発行された単行本全20巻は累計1500万部を誇り、連載当初から「実写化は間違いなし」と見られていた作品だ。

 だが、多くのファンをがっかりさせてしまったのは、そのキャスティング。映画では、主人公で作画を担当する真城最高(サイコー)役を佐藤健が、真城とタッグを組む原作者・高木秋人(シュージン)役を神木隆之介が演じるというのだが、「絶対に逆」「キャスティングミスだろ」「逆なら有だな」と、佐藤と神木の配役について難色を示す声が。芸能界からも、原作の愛読者だった中川翔子が「バクマン実写!!?ひぇー!面白そう!でも神木さんがサイコーかとおもってたらシュージンのほう?!いろいろびっくり!」とつぶやいたほど。この大きすぎる反響に我慢ならなかったのか、本作で監督を務める大根仁は「逆逆うるさいのでスニーカーも逆に履いて撮影してますー」「公開したら確かめてくださいね」と、その評判にツイッターで応戦する事態にまで発展した。

 たしかに、原作では屈折したリアリストで寡黙な中学生として登場するサイコーは、『桐島、部活やめるってよ』で見せた神木の印象にも重なるし、ビジュアル的に長身で線の細いシュージンは、170センチに満たない身長の低い神木よりも佐藤のほうがしっくりくる。

 また、重要なのは2人に対する世間のイメージだ。神木といえば、好きな作品に『神のみぞ知るセカイ』や『バカとテストと召喚獣』といったラノベを挙げる“本気のオタク”である一方、佐藤は広末涼子との不倫や前田敦子へのお姫様だっこ騒動などもあり、“若手俳優きっての肉食系リア充”の印象が染みついている。ネット上でも「佐藤はチャラい方があってる」といった意見が挙がったように、一途にプラトニックな恋愛を貫くサイコーを佐藤が演じるのは無理があると感じる人が多いようだ。

 さらに、芸能関係者はこの配役に「事務所の意向も関係しているはず」と話す。

「というのも、佐藤も神木も所属事務所は同じアミューズ。『るろうに剣心』『リアル~完全なる首長竜の日~』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』などの映画や、現在放送中の『ビター・ブラッド』でも、佐藤の売り出し方は“主演俳優”。対する神木は、数々の作品でキーマンとなる役を演じてきたように“若き名バイプレーヤー”という立ち位置。実際、8月と9月に公開される『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』でも主演は佐藤で、女性人気が高いサブキャラ・瀬田宗次郎役を神木が演じます。いくらイメージとそぐわないとしても、アミューズとしては佐藤を準主役にさせるわけにはいかないでしょう」(芸能関係者)

 このように“大人の事情”も絡んでいると思われる今回の配役問題。だが、主人公の成長を見せるという意味では、ゴールデンでの連続ドラマ初主演作『Q10』で佐藤が体現したナイーブな表現が活かされそうだし、頭脳明晰でまくし立てるようにサイコーを口説きマンガの世界へ誘い込むシュージンは、演技の幅が広い神木のほうが意外とハマるような気もする。

 そもそも、マンガ原作で実写化が決定すると、キャストにダメ出しが起こるのはお約束イベント。大根がいうように“公開して確かめる”辛抱強さも必要なのかもしれない。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

新妻エイジ役が”個性派俳優”として祭り上げられる未来が見える…。

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