姫乃たまの耳の痛い話~アイドルはやめられない~第2回

「AV女優からアイドルになれるかも……」アイドルになりたかったAV女優が見た現実

 結果は、服こそ脱がなかったものの、わけが分からないまま男性たちに精液をかけられ、呆然としたまま収録は終わりました。

 アイドルや素人を騙すAVはよくありますが、私はその話を聞いて、初めて本物があることを知りました(もちろん彼女以外は仕込みのAV女優でした)。アダルト系ライターとしては、仕掛けた側はなんて優秀なAVメーカーだろうと思いましたが、アイドルの立場からしたら、たまったもんじゃありません。

 撮影後、号泣する彼女にスカウトマンは「もう精液もかかっちゃったし、AVやってみようか。あんまり変わらないよ」と声をかけてきたそうです。この時なぜ自分が承諾したのか、彼女にも分からないと言います。ただ、少しだけ、「AV女優からアイドルになることができるかもしれない」と思ったそうです。

 後に彼女は、AVの仕事は「特に楽しくもなかったし、過酷でもなかった」と話していました。
 
 結局、AVの活動はいまいちパッとせず、テレビで観るような歌ったり踊ったりするAV女優にはなれそうもありません。その上仕事にやる気を出さない彼女に、最初のスカウトマンは風俗で働くことを勧めます。

 これでよかったのかと悩む日々を“精神的に”支えてくれた役者の彼(ヒモ)を“金銭的に”支えるために、彼女は風俗で働いてみることにしました。お店では現役AV女優の肩書きがつき、彼女のAVを見たという少数のファンが指名してくれるようになりました。片手で数え切れるほどの人数でしたが、全員信じられないほど独占欲と嫉妬心が強く、連日その内の誰かが長時間で指名してくれたため、彼と2人で生活できるくらいの額は稼げたそうです。

 しかし、この役者の彼氏がほかの女の家に移り住み、彼女の前から消えたことで、生活は崩壊します。もう風俗で稼ぐ理由もありませんし、ついでだからAVもやめて、本当にアイドルになることに決めました。気づけば、彼女は資格も職歴もない、ただの26歳の女性になっていました。

 私が最後に見た彼女の姿は、自称“21歳”のアイドルで、ロリータ服に舌足らずな喋り方。左手首の傷をふわふわのファーで隠して、地下アイドルに混ざって一生懸命歌って踊っていました。少しだけ、歌も踊りも上手になっていました。

●姫乃たま
1993年、下北沢生まれ。地下アイドル界の隙間産業的な存在として、都内でのライブ活動を中心にライター、司会、モデルとして活動中。
[地下アイドル姫乃たまの恥ずかしいブログ]http://himeeeno.hatenablog.com/
[姫乃たまのあしたまにゃーな]http://ameblo.jp/love-himeno/
[twitter]https://twitter.com/Himeeeno

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