パクリかオマージュか? 『黒子のバスケ』の『SLAM DUNK』酷似シーンでネットが紛糾!!

1402_kuroko.jpg黒子のバスケ(集英社)25巻。

 巷を騒がせた脅迫事件を乗り越えて、ますます勢いに乗る『黒子のバスケ』。「週刊少年ジャンプ」(共に集英社)で連載中の本作は、現在連載されているバスケマンガの中でも群を抜いた人気を誇っている。先日は新宿駅構内にほぼ等身大のキャラクターをあしらった柱巻き広告が掲示され、こちらも話題となった。

 人気絶頂にある本作だが、「週刊少年ジャンプ」最新号(2014年10号)掲載の第247話の内容をめぐって、過去にも何度か取りざたされたある疑惑が、ネット上で再燃している。

 それは、同誌で連載されていた伝説的なバスケマンガ『SLAM DUNK』(集英社)からの“パクリ疑惑”だ。問題のシーンは、誠凛高校の日向が3つ目のファールを取られて審判に抗議し、さらにテクニカルファールを取られるという場面。この選手と審判の一連のやり取りは、『SLAM DUNK』第17巻の陵南高校・魚住が海南大付属戦で4つ目のファールに抗議し、テクニカルファールを取られて5ファールで退場になってしまう展開とほぼ一緒(日向は4ファールなので、退場はなし)。ネット上では同シーンの比較画像が上げられ、構図や展開などの多くの相似点が指摘されている。これを受けて、ネットでは「(パクリを)やってしまったな…」「これは完全にアウト」といった非難の声から、「バスケではよくあることでは?」「こじつけだろ」などの擁護の声が上がっている。

『黒子のバスケ』では以前にも、試合前の練習で相手チームのゴールに“アイサツ”代わりのダンクシュートを叩き込むシーン、試合後のロッカールームで疲れ果てた選手が重なるように寝るシーン、3Pシュートに指先だけがかするシーンなど、『SLAM DUNK』の印象的なシーンとの類似点が数々指摘されてきた。

『SLAM DUNK』の“パクリ疑惑”といえば、現在「BE・LOVE」で『ちはやふる』を連載中の末次由紀が、『エデンの花』『君の白い羽根』(すべて講談社)のシーンが『SLAM DUNK』のシーンと酷似しているとして、ネットを中心に大炎上した。2005年に、この件で出版社と作者は盗用を認めて謝罪文を掲載。単行本を絶版にし、作者自身も約1年半の間活動を停止するという処分が下されるなど、大きな問題として取りざたされた。(その後、末次は『ちはやふる』で見事な再起を遂げた。)

 では、今回の『黒子のバスケ』の場合はどうか? 本作が集英社以外の媒体の連載作であれば、それこそパクリで大問題となる可能性はある。しかし、『黒子のバスケ』の場合、連載媒体が『SLAM DUNK』と同じ「週刊少年ジャンプ」であることを考えると、連載中止などになる可能性は低い。作者の藤巻忠俊氏は『SLAM DUNK』好きを公言しており、編集者も同誌を代表するバスケマンガを読んでいないということは考えにくい。また、チェックの厳しいファンによってネット上で指摘され、瞬く間に拡散される危険性も十分に考慮されているはずだ。もし仮に本気でパクろうとするなら、これまでのようなあからさまな酷似は、むしろ避けるだろう。

 以上の点を踏まえると、『黒子のバスケ』の場合は、パクリというよりも、リスペクトやオマージュの類なのだろう。作者の藤巻氏はいちファンとして『SLAM DUNK』の名場面を登場させることで、『SLAM DUNK』ファンを“ニヤリ”とさせたい狙いがあるのではないだろうか?

 ただでさえ名場面が多い『SLAM DUNK』だからこそ、ファンによっても好きな場面は十人十色。だから、読者も「パクリだ!」と目くじらを立てるのではなく、「これってあのシーンを取り入れたよね。なかなかいい場面をチョイスするなぁ」といった読み方のほうが楽しく読めると思うのだが……。むしろ「『SLAM DUNK』のこのシーンを再現してくれ!」と、読者アンケートに書いて送るくらいの気概で読んでもいいくらいだ。

 個人的に『SLAM DUNK』で好きなのは、陵南高校の越野が海南大付属の牧のドリブルをファールして止めようとして逆に吹っ飛ばされて「まるでダンプカーだ」と形容するシーン。あのときの牧のドヤ顔と越野の驚嘆の表情を、ぜひ『黒子のバスケ』でも再現してくれたらうれしい。あと、“沢北ダンク”も。
(文/高橋ダイスケ)

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