フジテレビがアニメ原作ドラマを乱発!? 『ハクション大魔王』惨敗も今後の狙いは…?

 だが、見るべき点がまったくなかったかといえばそうではない。村上とアクビ役の渡邉このみの特殊メイクを担当した江川悦子さんはアメリカで特殊メイク技術を学び、ハリウッド映画にも度々参加したこの分野での第一人者。グロテスクに見せることなく、生身の人間とアニメキャラとのイメージを折半することに成功していた。

 そしてオープニングの画コンテ・演出を担当したのは、アニメ『はれときどきぶた』『エクセルサーガ』などの監督を務めたワタナベシンイチ(愛称:ナベシン)監督。アニメ版OP曲に実写俳優とアニメキャラを組み合わせて再現する斬新な試みは、ギャグ演出を得意とするワタナベ監督の面目躍如という印象だった。(実は双方をよーく見比べてみると、細かい部分が変わっているのもご愛嬌です)

 しかしなぜ今、突然『ハクション大魔王』の実写リメイクがなされたのか? という疑問は残る。先のテレビ誌編集者が続ける。

「実は今回の『ハクション大魔王』は、“フジテレビ開局55周年特別番組と”銘打った企画の一環。すでに10月1日には同様にスペシャルドラマ『ちびまる子ちゃん』が放映されていますし、12月1日には観月ありさ主演の『サザエさん』新作が予定されています。

 視聴率不振が報じられるフジテレビですが、今年6月末に『視聴率回復』を最優先課題に掲げて、亀山千広氏が新代表取締役社長に就任。同氏はよく知られるように、『踊る大捜査線』シリーズなどのプロデューサーとしてヒット作を連発させてきたドラマ畑一筋の人。

 今回の『フジのおなじみアニメを実写ドラマに』という企画が亀山氏の肝いりだった場合、来年以降も似た路線が続くことは十分あり得ます。もしかすると、80年代にマンガ原作ドラマを数多く放映した『月曜ドラマランド』の復活も視野に入れているかもしれませんよ」(前出・テレビ誌編集者)

 小泉今日子主演の『あんみつ姫』、富田靖子主演の『一休さん』、沖田浩之主演の『ザ・サムライ』など80年代当時のアイドルを多用して、名作・珍作・怪作を連発したことで知られる『月曜ドラマランド』。近年でも同局のノイタミナ枠内で『もやしもん』の実写ドラマが放映されていたこともあり、フジとマンガ実写化の関係は深い。

『ハクション大魔王』はその復活の先駆けとなるのかどうか? 今後の動きも注目していきたい。
(文/出口ナオト)

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