――「月刊ブシロード」は、連載も付録も、すべて自社コンテンツですよね。だからこそ、自由に作りたいものが作れるのでは?
相良 『カードファイト!! ヴァンガード』チームや『ブシモ』チームはじめ、どの部署もこれまでの誌面ではできなかったことができるようになったので、企画立案から積極的にアイデアを出してくれますね。ブシロードの声優事務所「響」所属の橘田いずみさんなんか、餃子が好きだから餃子の連載を始めちゃったり(笑)。
――まさか、マンガ誌に餃子の連載があるとは思いませんでした(笑)。読者層は、どの辺をターゲットにしているんですか?
木谷 中高生ですね。小学5~6年生にも読んでほしいと思っています。判型が「Vジャンプ」(集英社)に似ているから、ぜひ「Vジャンプ」の隣に並べてほしいなぁ、と(笑)。
――紙媒体ではなく、今ならウェブでマンガを公開する手段もあったと思うんですが、この出版不況になぜ紙媒体を選んだんですか?
木谷 重要なのは、弊社のカードゲームの紹介ページなんです。(「月刊ブシロード」を指して)これだけの量の広告を数万人に届けようと思ったら、コストはいくらかかります? それを考えたら、紙媒体が一番効率がいいんですよ。
相良 そこがウェブやフリーペーパーとの違いかと。しかも、お金を出して買ってくださった読者は一生懸命読んでくれているんです。
木谷 中学生がお小遣いで本を買ったら、隅から隅まで読むじゃないですか。その効果で『カードファイト!! ヴァンガード』の新シリーズの初動売り上げもよかったですし。
――なるほど。自社コンテンツであるゲームや声優さんの情報が、効率的に提供できると。その中でもブシロードの子会社である「新日本プロレス」の紹介記事と、第2号から始まった謎のマスクマンが登場するプロレスマンガ『ファイヤーレオン』は毛色が違いますけど、反響はいかがですか?
木谷 まったく人気ないですね(苦笑)。創刊号のアンケートで、つまらなかった記事の1、2位がその2つでしたから。まぁ、無関心よりも反応があったほうがいいですよ!
相良 創刊号の『ファイヤーレオン』なんか、たった4Pの予告編ですよ!? あまり目立たないページにあったのに、それを見つけてアンケートに書いてくれるんですからね(笑)。
木谷 でも『ファイヤーレオン』は面白いと思いますよ。私、子どもの頃から現実とファンタジーが入り混じったプロレスマンガが好きだったから。そういったマンガって、最近なかったでしょう?
――新日本プロレスの選手が実名で出ていますもんね。それに、ファイヤーレオンが繰り出した大技「モンゴリアンキック」には度肝を抜かれましたよ!
相良 そのムーブは、作家さんとかなり相談して詰めましたからね!
――マンガ内でファイヤーレオンにやられちゃう選手から、不満の声とか出ないんですか?
相良 選手は喜んで出てくれてますよ。
木谷 まぁ、架空のキャラにやられる分にはいいんじゃないですか? それが実在の選手同士だとプライドもあるでしょうが。
相良 そうですよ。モンゴリアンキックには誰も勝てないでしょ(笑)。それに、読者の親世代って、プロレスを見ていた世代じゃないですか。この本を通して、親世代にもう一度プロレスに戻ってきてもらいたいという狙いもあるんですよ。
「月刊ブシロード」創刊の理由を木谷社長と編集長が激白!! ライバルは「Vジャンプ」!【前編】のページです。おたぽるは、インタビュー、マンガ&ラノベ、出版業界事情、ブシロード、木谷高明、相良洋一、インタビュー、カードファイト!! ヴァンガードの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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