ドワンゴ退職者の手記に見るニコニコの終焉 もはやニコニコはカオスも楽しさもないオワコン

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『meg_nakagamiの日記』より

 以前からわかっちゃいたけど、本当にニコニコはオワコンになってしまったのか。ドワンゴを退職した人物がブログで公開した赤裸々な手記が話題になっている。

『meg_nakagamiの日記』に10月31日付けで投稿された「退職しました」というエントリーがそれだ。執筆者は名前こそ出していないものの、「各種のゲームデバイス、PS Vita, Wii U, 3DS, Nintendo Switch 上でのニコニコプレイヤーの実装をずっとやってきていました」としており、関係者には完全に特定されることも厭わずに書き記している。

 この手記で注目したいのは、執筆者が退職を決めた理由である。それは「第1に(これを言ったらオシマイだと思って今までは言わないようにしてきていたのですが)ニコニコが自分にとってつまらないものになってしまったこと。第2に、ニコニコを面白いものにするために、ドワンゴ社内から私ができることは存在しないのだということを強く実感してしまったこと」とされている。

 さらに本文を読み込むと「手元でできる何を提案してもそれを却下し、何もするなという指示をしておいて、なんの業績も上げていないという評価を下して辞めるのを待つというやり方は果たしてコスト削減なのか」「現実に存在しないであろう特殊な状況のユーザーを勝手に想像して、そのユーザーが混乱すると言って新しい取り組みをボツにする」など具体例に言及をすることを避けるものの、組織が硬直化しなにも生み出せない状況に陥っていることが窺える。

 多くのユーザーも体験を通じてわかっているだろうが、かつてニコニコ動画や生放送には「そこにいくだけでなにかがある」という期待があった。ネット以前の時代には、駅前の広場や公園、尖ったライブハウスや飲み屋が持っていた「場」の機能をネット上につくったのがニコニコであった。もちろん、モラルを逸脱した行為も頻発していたがカオスな空間ではそれすらも笑う余裕があった。

 好調だった2010年前後には、なにか尖った取材現場にいけば公式の取材班に出会ったし、筆者も公式生放送に呼ばれたことがある。「ニコニコ超会議」も得体の知れない楽しさ、そして来場者が全員主役のような高揚感もあった。そうしたものが失われ、凡庸な動画配信サービスとして守りに入っていく中で、硬直化は止まることを知らないということか。

 もう、ニコニコは終わったかも知れない。でも、きっとどこかに新たな天地はあると信じている。
(文=昼間 たかし)

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