『テクテクテクテク』を損切りしたのは吉か。「AbemaTV」と提携でニコニコ動画の再生が本格化

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ニコニコインフォより

 新年度を前に、ドワンゴが「AbemaTV」とパートナーシップを提携し「AbemaTV」をニコニコ生放送で配信することを発表。さっそく4月1日から配信を開始している。ようやく新体制を迎えたドワンゴが再建の道筋をつけたといえるだろう。

 この間、ドワンゴはニコニコ動画の衰退をカバーすべく迷走を繰り返していた。その最大のものが、3月13日に突如として、位置ゲーム『テクテクテクテク』のサービス終了を発表したことだ。この発表はあまりも突然のことで社内にも動揺が走った。

「昨年11月の配信開始以来、小林幸子や高須医院長とコラボしたり、<一生遊べるRPG>を実現するべくさまざまな企画が予定されていました。3月上旬の『週刊アスキー』では、4ページにわたって<位置情報ゲームに新たな風を吹き込んだ話題作>として紹介されていたのですが、違う意味で話題になってしまいました……」(関係者)

 このゲームは『ポケモンGO』のようなゲームを目指したドワンゴにとっての起死回生の秘策だったはず。開発は『不思議のダンジョン』シリーズや『かまいたちの夜』を生み出してきた中村光一×麻野一哉が担当した鳴り物入りの作品であった。


 だが、様々な理想を詰め込み過ぎたためか、大変なことになってしまった。「本当に歩くRPG」を目指したためか、理想は通信量に比例。とにかく、尋常ではなく重いゲームになってしまった。キャラが魅力がないなどの問題はあったが、位置情報ゲームという仕組みを用いてRPGにリアル感を持たせようとした結果といえるだろう。

 ちょうどニコニコ静画のほうでは、霧羽夢兎氏のマンガ『こんなVRMMOは嫌だよ』のVer.2の連載が始まっている。これは、VRでラノベに出てくるようなMMORPGをつくったら、10時間は歩きっぱなしになるような超絶広いマップにしないと対応できないなどという「現実」をベースにした作品。ゲームの種類は異なるが「テクテクテクテク」にも似たような匂いを感じてしまう。

 結果、すでに今年2月時点で8億円あまりの赤字になっているとも報じられており、再生のための損切りは待ったなしだったのだろう。

 そして発表された「AbemaTV」との提携。ここから、ドワンゴは無事に再生していくことができるのか……。もう一度、かつてのニコ生のリアルなカオスを味わいたい。

(文=大居 候)

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