本当に悲しいことは何だろう?──アイドル刺傷事件の重大さと、犯人が奪っていったもの

本当に悲しいことは何だろう?──アイドル刺傷事件の重大さと、犯人が奪っていったものの画像1『男の兄「ため込みやすい性格」 女性アイドル刺傷(16/05/22) 』(YouTube/ANNnewsCHより)

 またこのような事件が起きてしまった。

 東京・小金井市で起こった、ファンを名乗る男によるアイドル刺傷事件。今はただ、早くよくなってくれることを祈るしかない。

 被害にあった冨田真由さんは、かつて「シークレットガールズ」のメンバーとして活動していたアイドルだった。

「シークレットガールズ」は、2011年に、ネット配信などで放送されたドラマの企画と連動して生まれたアイドルユニットで、当時フジテレビを中心に活動していた「アイドリング!!!」のメンバー3人(朝日奈央、橋本楓、伊藤祐奈)に三橋奈波、そして冨田真由を加えて結成されていた。

 当時お台場で開催されたTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)などにも出演し、私もステージを見た記憶がある。

 このような事件が起きて、まず感じるのは「アイドル」という、私たちに夢や希望を与えてくれる存在のものが傷つけられたという悲しみだ。

 アイドルとファンの間には距離がある。だから、握手会で手を握ろうと、2人並んでチェキを撮ろうと、決してある一線より近づくことはできない(むろんそれを越えようとする人たちもいるが、それをした時点で、彼らは「アイドル」でも「ファン」でもなくなる)。

 しかし、だからこそファンはアイドルに対して「幸せであってほしい、いつも笑顔でいてほしい」と願うものなのだ。

 自分の力ではどうすることもできない分、アイドルファンの一人として、彼女が傷つけられたことは、自分の身を切られるようなつらさを感じる。まずはそれが悲しい。

 次に起こるであろうことは、アイドルファンに対するバッシングだ。

 今ではひとつのネタのようになっているが、青少年が何か犯罪を犯すと、マスコミはその背景を探すことに躍起になる。

 ゲームやアニメが好きだとわかると「現実と空想の世界の区別がつかなくなっている」「家の中にこもりがちになり、他者とのコミュニケーションが取れなくなっている」などと騒ぎたてる。

 そこには科学的・統計的な根拠はなく、そのような思考や性格の人間は、アニメやゲームの好き嫌いにかかわらず一定数いるのである。

 それを変に紐付けしてバッシングするのは危険なことであるし、される側からしたら、耐え難いことだ。

 今回の事件に対して、今後どのような報道がなされていくかはわからないが、「アイドルファンはみな、アイドルに近づき、ともすれば傷つけたいという願望を持っている」などという根拠のない意識付けがなされたら、たまったものではない。

Secret girls (通常盤)

Secret girls (通常盤)

ご回復を心よりお祈りします。

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