「キラキラがないと生きていけない」第4回

三谷幸喜マジックで作られた“しんつよ”の幸せな空間「burst!~危険なふたり~」の演出にメロメロ

ーーSMAPを“ライフライン”にして生きるイラストレーターがつづる、ジャニーズたちがキラキラに照らしてくれる、愛すべき日々。

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 最初に言っておきますが……たぶんこのコラム中、「幸せ」というワードをしつこいくらい使っていくと思いますので、どうかご容赦くださいませ。

 三谷幸喜が草彅剛と香取慎吾のために作ったなんとも幸せな舞台「burst!~危険なふたり~」。

 栃木県に住むアオキの元に爆弾処理の専門家と名乗るネガミからある日突然電話がかかってくる。

「お宅の部屋に爆弾がしかけられているので、私のいうとおり爆弾を処理してください」。

 なんのことやらわからないまま、電話のむこうで「とにかく爆弾を処理しろ」と一方的に命令をするネガミと、なんで自分のところにこんなことが? と訳が分からないままネガミのペースに巻き込まれるアオキ。しかし、次第に2人の間には不思議な友情ともとれる共感性が芽生えはじめる。“アオキがネガミ、ネガミがアオキ”なのである。ラストは三谷幸喜作品らしからぬ不条理なバッドエンドともとれるものーーざっくり言うと、ストーリーはこんな感じです。

 この舞台で三谷幸喜が仕組んだこと、その1。ふたりは芝居中、ほとんど目を合わせません。終盤に少しだけ。前を向いたまま、お互いの動きを空気や肌で感じながら、絶妙に続くやりとり。あまりに自然すぎて、そのことが本当はとても高度な技術を要することだというのをまったく感じさせないのです。まさに100分間ノンストップのガチンコ真剣勝負、なのです。

 三谷幸喜が仕組んだこと、その2。ご本人は「思いつき」とおっしゃってますが、中盤でキャストが入れ替わります。しかしストーリーは何事もなかったかのように進みます。三谷幸喜が草彅剛、香取慎吾という役者に心底惚れ込んでいるからこそ「思いついた」設定にほかなりません。

 三谷幸喜が仕組んだこと、その3。その息をもつかせぬ舞台が終わった後は、ふたりはマイクを持ってフリートークをします。このフリートークまで三谷演出に含まれる、とのこと。毎回アドリブで、ふたりの幼馴染の空気感がゆるく流れます。真剣勝負のあとのこの流れ。こんな贅沢な、幸せな空間はあるでしょうか……。

 三谷幸喜という人は、みんなが見たかった景色、そしておそらく草彅さん、香取さんも見たかった景色をこの「burst!」という舞台で実現させてくれたんだと思うと、たまらない気持ちになりました。公演ごとに、フリートーク内で草彅さんは「今日が一番よかった」と言ってました。特に意識もなく言っているのかもしれませんが、毎回この言葉が言えるというのは、きっととても幸せなことです。観客にとっても、かかわっているすべての人にとっても……。

 とはいえ、この公演は、見たいのに見られなかった人の数が圧倒的に多いです。あのふたりは、そんな見られなかった人にも気持ちを常に寄せていたことを、さまざまなメディアのインタビューで垣間見ることができました。そうやって思ってもらえるファンも、幸せですよね。

 そんなわけで、幸せな空間の幸せな目撃者のひとりになれたこと。そんな私は幸せ、なのです。

●misato(みさと)
オフィスワーカー&イラストレーター二足のわらじ履き中。テレビっ子。SMAPがライフライン。

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