最後はみんなで“元気玉”!?  「ごみどらま」と評され、最終回もツッコミどころ満載だったドラマ『地獄先生ぬ~べ~』

 父を殺され、怒りに震えるぬ~べ~ですが、美奈子先生(演:優香)によって諭され、さらに玉藻先生とゆきめ、いずなが一緒に戦おうと申し出ることで冷静さを取り戻します。「鬼の手がない俺は足でまといになる!」と言い切ったぬ~べ~はすがすがしかったですね。数分前にお父さんを亡くしているとは思えない立ち直りぶりです。そんな覇鬼との最終決戦を前に流れるBGMは関ジャニ∞の「がむしゃら行進曲」。曲名のとおり、がむしゃらに当たって砕けろ精神で覇鬼に立ち向かうよう……にわかに死亡フラグを立たせながらも覇鬼に挑みます。

 学校の校庭に待ち構えるラスボス・覇鬼。さっそく玉藻先生&いずなの炎のタッグ攻撃と、ゆきめの冷風(?)攻撃を繰り出しますが覇鬼はびくともしません。うん、そりゃそうだ。だって全然すごい攻撃に見えないんだもん……。ネットでも「CGがしょぼい」という声がありました。あっけなくやられる4人に生徒たちと律子先生も駆けつけますが、もちろん戦わせるわけにはいきません。「みんな……ありがとな」と本作最大の死亡フラグを立ち上げ、覇鬼に自分の命を差し出そうとするぬ~べ~。覇鬼は遠慮なく攻撃しようとしますが、生徒たちがぬ~べ~の盾になるように立ちはだかったために、攻撃を躊躇してしまいます。ここはネットでも「なんで!?」と話題になっていましたが、私もこの世を地獄にしようとしている鬼がここで攻撃を戸惑うか? と思わずツッコミをしてしまいました。やっぱりドラマ覇鬼は人情派の鬼だったのでしょうか。時空はあっさり殺したけど……。

 案の定、ここで隙をつかれた覇鬼は、玉藻先生によって結界を張られ、ぬ~べ~の左手にまたも封印されてしまいます。これは「鵺野先生に力を集めるんだ!」と玉藻先生、ゆきめ、いずな、そして生徒たちの霊力(?)を集めたことで成せたことですが、これって『ドラゴンボール』の元気玉と同じじゃ……。また、どうゆうわけか、覇鬼の封印にひっぱられてほかの妖怪たちも天狗塚に封印されるようです。思わずポカンのご都合主義ですが亡き時空もこれでうかばれるでしょう……。ちなみに原作を手掛ける岡野剛先生がTwitterで「最終回見直してたら矛盾点を発見してしまったような…天狗塚から出てきた妖怪はみんな吸い込まれて戻っていったのに、何故玉ちゃん…あ、いや、それは、きっと、悪い妖怪じゃなくなったからだ!多分!!(力強く)」とつぶやいていました(笑)。

 そして、ここまでを30分ほどで描いたドラマ『ぬ~べ~』。あとは後日談のような展開をみせます。鬼の手の中で覇鬼を抑えていた美奈子先生がぬ~べ~によって成仏させられたり、ぬ~べ~が童守高校を去る決意をしたり。ゆきめと律子との恋の三角関係も決着がつきましたが、二人とも身を引くというなんとも微妙な……。いずなもインドへ修行に出るようです。玉藻先生は、ぬ~べ~の門出を祝福するもののまだ決着はついていない! と宣言してくれましたね。ぬ~べ~に負けない素晴らしい教師を目指すとのこと。最後には愛する生徒と玉藻先生と律子先生に見送られ学校を後にします。ぬ~べ~のおかげでいろいろなことを学んだ彼らは、第1話よりもすこし成長したように見えましたよね、たぶん。

 また、最終回はもうないと思った覇鬼の時間もありました。成仏したはずの美奈子先生は戻ってきてるわ、覇鬼のテンション普通だわ、もう何も言えません。これには視聴者も困惑したようで、「覇鬼とあっさり和解していて意味不明」「親殺した鬼と10分後には楽しく談笑してて笑った」「成仏したはずの美奈子先生が戻ってきているw」といった反応が。たしかに、成仏の意味とは……。

 まだまだツッコミどころは尽きず、ラストはなぜかここで原作とおりに小学校に赴任するぬ~べ~。「やっぱ舞台は小学校にするべきだった」「小学生に囲まれるぬ~べ~見てこれぞぬ~べ~だと思った」「いまさら小学校舞台なんて見れない」といったさまざまな声が上がっていました。さらには脚本を手掛けるマギー氏にツッコミを入れる人も多数……。

 ドラマ化発表の時から物議を呼び、ドラマ公式サイトの掲示板に縦読みで「ごみどらま」などと評された波乱の第1話からようやく迎えた最終回。最近はまっすぐきれいごとを語るドラマは少ないので、ある意味今の時代に必要なドラマだったのかもしれませんが、ここまでいい意味でも悪い意味でもツッコミどころ満載のドラマは久しぶりだったのではないでしょうか。でも、人気マンガのドラマ化だったのでもう少し1つ1つのエピソードを大事にやってほしかったのも正直な感想。最終回開始30分で覇鬼の件が終わってしまうのはいくらなんでも早すぎかなと。1つでも多くのエピソードを届けたいという気持ちは感じますが、少し消化不良な感じが否めません。また、主題歌・関ジャニ∞の「がむしゃら行進曲」の歌詞にある「見つからないこともあるさ それでも一歩先へ」という言葉は、最後までなんとなく『地獄先生ぬ~べ~』というものをつかめきれず突き進んだ本作を表しているなあと思ったり。しかし、最後は小学校に赴任ということで、原作と同じフィールドに立ちました。“妖怪のせい”で続編や映画化が今後もしもあるのなら、今回の反省を生かしてほしいものです。
(文/水羽舞)

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