“200万本出荷”も評価は大荒れ!? 「モンハン」シリーズ最新作『MH4G』評から、その原因を探る

■“フルプライス商法”などへ一部ユーザーから批判噴出

 システム面での改善点が評価された一方、購入者から批判されているのは主に「異常に強くなりすぎたモンスター」「前作から多少の追加要素を加えたマイナーチェンジなのにフルプライスでの販売」の2点。

 後者については、データ引き継ぎができる前作購入者へのフォローとして1500~2000円程度のアペンド版を出せば済んだのではないか、という意見が目立った。過去作において“無印”→“G”【注:「モンハン」シリーズにおいて、“G”はアップグレード版を意味する】への進化はボリューム・システム面においてめざましい進化があったが、今回『MH4G』では追加マップや完全新規モンスターの数が控えめで、特に『MH4』からデータを引き継いだユーザーにとっては物足りなさが強かったようだ。

 そして前者、ここ数年のモンハンシリーズに共通しているのが「モンスターの過剰な強化」という批判だ。ソロ(単独)プレイをあきらめざるを得ない、最大4人のパーティーを前提とした“遊び方の幅を極端に狭めるバランス調整”に対する酷評は、今作でさらに増加した模様である。

 カプコンが目指すモンハンの方向性は、今や「ソロでも楽しめるストイックな狩りゲー」ではなく「仲間とワイワイ楽しむコミュニケーションツール」にシフトしてきたと考えられる。これは無料ネットワークプレイ対応となった前作『MH4』からの宣伝戦略を見ても明らかだ。

 コンシューマゲーム市場が縮小傾向にある現在、たしかにこの方針は正しいだろう。「仲間とつながっているから、自分だけが辞めるわけにいかない」という心理状態にユーザーを置くのは、隆盛を誇るソーシャルゲームの基本的な考え方である。利潤を求める企業であれば当然とるべき選択肢だ。しかし筆者のように比較的古いモンハンから入ってドハマりした層には、ソロプレイの選択肢を狭めるような方向性がいささか寂しくも感じられる。シリーズが不動の地位を築く起爆剤となった『MH2G』は、“ソロプレイも楽しい。仲間とやればもっと楽しい”作品だった。

 10周年を迎えて大きく舵を切ったモンハンシリーズ。この変化を“新たな進化”と見るか“シリーズ衰退の予兆”と見るかは、実際に購入してプレイするユーザー次第だと言える。低評価を付けている人も「前作を持っていない人なら買う価値あり」とゲーム内容自体には肯定的な意見を述べていたり、ユーザーからの評価は揺れ動いている。願わくば、古参ユーザーも新規ユーザーも納得できる理想のモンハン開発を、これからのカプコンには目指してもらいたいものだ。
(文/浜田六郎)

モンスターハンター4G

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