姫乃たまの耳の痛い話 第3回

同じユニットのアイドル2人がファンを取り合って解散!? アイドルとファンの恋愛の行方とは

 もともと、関西で3人組のアイドルグループの一員として活動していた彼女は、関西アイドルシーンの枕営業の多さにうんざり(注:彼女いわく、です)し、本格的に活動するため、脱退して故郷に残るというメンバーに後ろ髪引かれながらも、現在の相方と2人きりで上京してきたそうです。上京後、2人は一緒に住み、ライブ中はもちろん、その行き帰りも一緒で、はたから見ても仲良さそうだったのになあと、事情を聞いたブッキング担当が首を傾げていました。
 
 その日、彼女が歌っている間、ひとりの男性が熱心に赤いサイリウムを振っていました。「ああ、あれが彼女に寝取られたファンなのかしら……」と、複雑な気持ちでその姿を眺めた日から数年が経ち、当時のブッキング担当者から彼女たちの近況を聞かされました。

 あくる日、突然ユニットでのライブを相方が無断欠席し、憤った彼女が帰宅すると相方の部屋がもぬけの殻になっていたそうです。彼女が例の男性ファンを寝取ってからというもの、家でも顔を合わせることはなく、相方が大きな家具を運び出すのにも気づかないほど2人の関係は悪化し、その心は離れていました。

 彼女の相方の無言の引退に、何も知らず残されたファンたちはざわめきました。しかしファン同士の情報網により、彼女に寝取られた男性ファンと結婚していたことがわかると、皆それぞれ複雑な思いを胸に、散り散りになっていきました。もちろん、彼女のライブにあの男性ファンが顔を出すことはなくなり、相方と会うこともなかったそうです。

 この原稿を書いていて、彼女が今どうしているのか気になったので検索窓に名前を打ち込んだところ、「●●●●(彼女の名前) 死ね」「●●●●(彼女の名前) ブス」という、検索したいのか本人に伝えたいメッセージなのかわからないような検索候補が出てきました。その後の彼女のますますの暴挙を思いながら、私はそっと、ウィンドウを閉じました。

●姫乃たま
1993年、下北沢生まれ。日本の地下アイドル。都内でのライブ活動を中心にライター、司会、DJとして活動しているミス器用貧乏。売れる兆しなし。
[地下アイドル姫乃たまの恥ずかしいブログ]http://himeeeno.hatenablog.com/
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[twitter]https://twitter.com/Himeeeno

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