【モノブライト出口博之の特撮自由帳(9-2)】
オワリカラ・タカハシヒョウリ×モノブライト・出口博之『ウルトラマン』まみれの特撮対談!<後編>
2017.04.27
■「科楽特奏隊」はいい曲だからではなく、面白い足し算ができる曲を優先で
出口 「科楽特奏隊」はもうどれぐらいやっているの?
タカハシ もう結構やっていますよ、5年ぐらいですかね。あまりガッツリずっとやっているわけじゃないので、「あ、もうそんなに経っているのか」という感じですね、特撮が好きな友達同士と言う感じですから。普通に特撮が好きで楽しんでいたら、もう5年経っちゃったみたいな。
出口 同じライブハウスで出会った対バンの人たちの中から特撮好きだけが集まったという(笑)。
タカハシ そうですそうです。出会わなかったら、殊更やっていなかったと思うんですよ。奇跡的に出会っちゃったから、だったらバンドやろうぜ! という具合で。
出口 (演奏する)曲を決めるときは、やっぱり皆で曲を持ち寄って決めていくの?
タカハシ そうですね、基本的には「俺、これ超好きなんだよね」「泣ける」という曲を集めて……あと、ツアー車の中は基本ずっと特撮ソングを流しているので、「これやベーよな」とか言い合っていて。
出口 ああ、いいねぇそれ。
タカハシ まだまだやってみたい曲がたくさんあって。でも、「俺はこれは好きだけど、それはそうでもない」という奴もかなりあるんですよ。「他のメンバーは好きだっていうけど、俺はそうでもない」とか。
出口 それは作品じゃなくて……
タカハシ それは曲ですね、基本は曲と歌詞オンリーで、作品はひとまず抜きにして。あとは「これはここをこうしたら面白くなるんじゃないか」というアイデアが思い浮かばない曲は後回しにしているんで。
出口 いい曲であっても、原曲そのままではなく。
タカハシ そうですね、足し算で考えるようにしてます。たとえば『ウルトラマン』の曲にはクーラ・シェイカー(イギリス出身のロックバンド)とか面白いよねとか、なかなか考え付かないような足し算が思いついたら楽しいよね、みたいな感じでやっていますね。
出口 そこの足し算がちゃんとできないと……
タカハシ そう! たとえ原曲がいい曲でも、わざわざ自分たちが何かをやる意義を見出せないとダメなんですよ。
出口 ただ、原曲をコピーするのはダメだと。
タカハシ そうですね。だからもう、結構難しいんですよね。単純にカバーするだけでも、昭和の『仮面ライダー』シリーズなんかは難しいんですよ。間奏とかもその都度違う拍子だったりして、「何でこんなことしたんだろう」と思うときもあって。
出口 ハハハ(笑)。
タカハシ 本当は昭和ライダーは色々やりたいんですよ、『仮面ライダーアマゾン』とか。でも間奏がすごく難しいんですよ、ポリリズムなんですよ。
出口 ああ、変だよね。
タカハシ 一応バンドでトライしてみたんですけど、これどうやって再現するんだってなりまして。中途半端なことをやってもしょうがないからと棚上げしました。やりたいんですけどね。
出口 やっぱり現状では円谷作品が中心?
タカハシ そうですね、元々が『レオ』をやりたいというのがあったんで。それが円谷から公式で出していただけることになって、ウルトラマン楽曲を集めているところです。