世界陸上でまさかの逆転劇「いつか起こると思ってた!」視聴者が恐れていたことが遂に現実へ

1508_molly.jpgIAAF 公式サイトより。

 世界陸上を見ていると、いつも気になることがある。それは、走種目などで行われるゴール前でのガッツポーズだ。北京で行われている今大会でも、金メダルを獲得した200メートルの決勝戦でウサイン・ボルト(ジャマイカ)が、ゴール直前に両の拳を何度も胸に引き付ける動きを見せ、喜びを表現している。

 こういった光景を見ると「直前に抜かれたらどうするんだろう?」と、どうしても感じてしまうのだが、この事に共感してくれる人は多いはずだ。そんな誰もが感じていた杞憂が、女子10,000メートルで決勝で現実のものとなってしまった。

「ケニアのV・J・チェルイヨトと、エチオピアのG・ブルカが、接戦の末に1位と2位でフィニッシュしました。その数メートル後方をアメリカのモリー・ハドルが追走していたのですが、ゴール直前にバンザイをして、その隙に同じくアメリカのE・インフィールドに抜かれてしまったんです。その差は0.11秒と、ほんのわずか。油断さえしなければ、銅メダルは、ハドルの首にかけられていたでしょうね。その後、同じアメリカのチームメイトとあって、2人は抱き合って健闘を称え合っていましたが、インフィールドの肩越しに掲示板を見つめるハドルの眼は、すごく悲しそうでした」(スポーツライター)

 順位だけではなく、自らの記録がかかっている大一番だ。特に前述のウサイン・ボルトの場合、ワールドレコードもかかっている。良い記録で勝つところが見たいというのが視聴者の心境だと思うのだが、選手の心境はまた違うものなのだろうか?

「もちろん新記録を出したいと言う気持ちはあるのでしょうが、この数秒間のために何カ月もかけて調整してきているので、勝った喜びが爆発してしまうのでしょうね。競歩の世界でも、ゴール直前に嬉しさのあまり走ってしまって失格になった選手は何人もいます。今回のハドルの件でも「バカだなぁ」「いつか起こると思ってたよ!笑」という面白がる声の他に「これはかわいそう」「気持ちは痛いほどわかる」と、同情の声も上がっています」(同スポーツライター)

 金メダルと銀メダル、銅メダルと4位入賞。ゼロコンマ数秒でつくこの差は、母国で待つファンに与えるイメージや、本人のこの後の人生を大きく左右する。どうか、最後まで油断をせずに、競技を終えてもらいたいものだ。
(文=沢野奈津夫)

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