「プロパガンダにならないよう、気をつけた」アニメで観光PRを始めたイスラエル大使館を直撃インタビュー!

2014.11.11

 アニメで自国の観光PRを! 駐日イスラエル大使館が世界で初めて、そんなプロジェクトに乗り出した。日本人の持つイスラエルのイメージといえば、不安定な中東情勢を反映してか、ネガティブなものが多い。

 ところが、イスラエル大使館では、そうしたイメージを払底すべく、これまでもさまざまなプロジェクトを行ってきた。昨年6月には、公式ゆるキャラの「シャロウムちゃん」が登場。このキャラクターは、イスラエルの国章で平和の象徴であるオリーブを手に持ち、ダビデの星のかんむりを頭にかぶって、世界の平和のために活動するというキャラクター。イスラエルのPRのみならず、全国のゆるキャラが集合するイベントにも積極的に参加している。

 それに続いて登場したのが、YouTubeで公開されたアニメシリーズ『いいね!イスラエル』。ヒロインが既婚者の姉に誘われて、姉妹二人でのイスラエル旅行に旅立つという全7話のシリーズだ。現在公開されている第一話では、姉がなぜイスラエルに旅立つことを決意したのか? その謎を残したまま、物語は次回へと続く。

 本作は月に一回ずつ配信される予定。いったい、どんな物語が展開するのか、続きが気になる……いや、大使館がアニメでPRをするとは、どういった経緯があったのか、そんなアレコレを取材すべく、イスラエル大使館に取材を申し込んだ。

 イスラエルの国情を反映してか、大使館に入るまではかなりの緊張感である。詳しくは書けないが、しっかりとしたセキュリティチェックを受け、ようやく大使館の皆さんが待つフロアへとたどり着いたのである。

 そこからは一転友好ムード。出迎えてくれたのは、大使館の広報を担当するロネン・メドゥズィニさん。まず「セキュリティチェックは決まりですので、大変申し訳ありません」と紳士的な挨拶。かと思えば「シャロウムちゃんは、残念ながら名古屋から帰ってくる途中で留守なんです【註:取材は、ゆるキャラグランプリの翌日】」と、ちゃんと「中の人などいない!」というお約束のジョークを。

 そんな和気あいあいとしたムードの中でインタビューは始まった。

イスラエル大使館の公式ゆるキャラ「シャロウムちゃん」。画像は、イスラエル大使館の「News」内イスラエル大使館 公式ゆるキャラ®発表より引用。

――今回のアニメのプロジェクトは、いつから始まったものなのでしょうか?

メドゥズィニ アニメについて具体的に考え始めたのは、一年ほど前からです。その前から、より大きな広報戦略として、日本のポップカルチャーをイスラエルのプロモーションとして使おうというものがありました。その一環として始まったものなんです。

 昨年の6月に、ゆるキャラのプロジェクトとして、シャロウムちゃんが誕生したのですが、それを日本の方々に好意的に受け入れてもらいました。そこで、「次はアニメでいこう」ということになったんです。

――シャロウムちゃんのこれまでの活動や日本側の反応は、どういったものでしたか?

メドゥズィニ 最初は、東北の震災復興のために活動しているイスラエイド(IsraAID)の招きで、福島の幼稚園を訪問しました。その後、ご当地キャラの出演する「ゆるキャラグランプリ」や「ゆるキャラさみっと」のようなイベントにも出演しました。そのほか、2020年夏季オリンピックが東京に決定する前にも都知事を訪問して、東京が招致に成功するよう激励する活動も行っています。それ以外にも、観光やビジネスのプロモーションなど、さまざまな活動を行っています。

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