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“食玩”がまさかの9990円!? バンダイ・キャンディ事業部に聞く、進化する食玩事情

2014.10.11

ネオ・ジオングにはガムが3つもついてくる!

――なるほど、「ネオ・ジオング」はシリーズ展開の関係で異例の大きさと値段にならざるを得なかったということなんですね。食玩というと、一昔前だとお母さんが子供に買ってあげるものというイメージでしたが、今は大人も楽しめる商品が多い印象です。

谷澤 そうですね。以前は、値段も安い代わりにクオリティもそれなりというのが食玩のイメージでした。ただそこはバンダイというメーカーとして、できるだけいいものを出したいという思いの下、クオリティを追求してきた結果だと思います。

――現在の食玩のメインターゲットは、何歳くらいでしょうか?

谷澤 1~3歳のお子様向けに『アンパンマン』や、『プリキュア』『スーパー戦隊』『仮面ライダー』など幼稚園児向けのもの。小学生以上にも『ポケモン』『妖怪ウォッチ』『アイカツ!』や、大人向けの『ガンダム』、オリジナル商品『破幻のジスタ』『神羅万象チョコ』『もじバケる』『ハコビジョン』など幅広く設定しています。特に大人の方はコンビニでお買い物をされる方が多いので、そこで売られる食玩との親和性は高いと思います。

新ラインナップの「ガンダム ビルドモデル」はゴム製の組み立てキットだ。

――バンダイではプラモや通常の玩具も販売されており、食玩はそこと競合する部分も多いと思います。そこで食玩ならではの魅力は、どのような部分にあると思いますか?

谷澤 『ガンダム』でいうとプラモデルやコレクター向けの超合金など、クオリティが非常に高い商品が出ていますが、値段もそれに合わせて数千円~1万円を超える設定となっています。本物志向のお客様はそういうものを求めてらっしゃると思うのですが、日常生活の中で「これ、ちょっといいな」と思えるお手軽な商品を提供できる点が食玩の強みだと思っています。そのため、値段も数百円ですし、高額な商品とは買う時の目的が異なります。どうしても欲しいプラモデルやフィギュアを目的にお店に向かうのではなく、たまたま行ったコンビニで見つけたから買おうかなとか、ほかのお菓子のついでに買おうかな、という風に手に取ってもらっていると思いますし、そのように受け入れていただけるとうれしいですね。もちろんそこから食玩のブランドが好きになって、食玩を目的にお店まで買いに来ていただけると、よりうれしいです。

サイコフレームの輝きを再現した「GUNDAM COSMIC LIGHT」シリーズ。

――商品開発をする上での苦労は、どんなものがあるのでしょうか?

谷澤 最近は500円を超える商品もいくつかはあるのですが、基本的には100~400円くらいの間で販売させてもらっているので、クオリティと価格の調整は毎回難しいですね。ただ、今後も値段との兼ね合いを考えつつも、その中でクオリティを追求していきたいと考えています。

※※※※※※※※※

 様々な制約を受けながらも、アイデアと玩具への愛情で食玩の最先端を切り開き続けるバンダイ・キャンディ事業部は、これからも買い物の合間に思わず目を引く意欲的なアイテムを生み出し続けることだろう。

 次にコンビニやスーパーに行った時は、ちょっとお菓子コーナーに立ち寄って、食玩を手に取ってみてはどうだろうか。
(取材・構成/有田俊[シティ・コネクション])

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