「電子書籍版YouTubeをめざす」Jコミが大幅バージョンアップ！「絶版マンガ図書館」発表記者会見
2014.07.10
なお閲覧方式としては、現状のビューアーアプリに加え、ソフトバンクグループのソフトバンクイノベンチャーから今年秋以降に配信されるiPhone向けのアプリ「ハートコミックス」も追加される予定だ。
iPhoneアプリということで気になるのは、18禁の対応だが「ハートコミックス」に関しては、やっぱり18禁はNG。PC版についての18禁の処理は「作者の意思を尊重して行う」という。
もう一つ、サンプルをアップロードして作者から連絡を待つという方式で気になるのは、行方不明になっているマンガ家の場合だ。こうした場合、文化庁の示す方針を元にして連絡がない場合でも公開できる方法を検討中だという。
このように、今後はユーザーがやる気を出してスキャンとアップロードを行えば、配信される作品はどんどん充実していくことになりそうだ。
「これでどんどん作品がアップロードされていけば、マンガ史に残る偉業になるはず」（赤松氏）
「絶版マンガ図書館」は、読者が単に読むだけではなく、自分が好きだけど世にまったく知られていない作品をアップしていくという使い方が是になりそうなサービスだ。筆者がパッと思いつくだけでも、単行本が最終回まで発行されていない作品、名作だと思うが作者の所在がわからないのか、復刊も電子書籍化される予定もまったくない作品は、いくらでもある。「コロコロコミック」（小学館）に連載されていた名作『ザ・ゴリラ』（ビーナス死亡以降が未単行本化）とか、伝説の美少女絵師なのに誰も行方を知らない早坂未紀の作品群とか。
……いや、ここでぜひ全作品を公開してほしいのは、マンガ家エル・ボンデージ（牧村みき）の作品ではなかろうか。おそらく物議を醸しまくって注目を集めることは間違いない。とりあえず、一読者のフリをしてアップロードを始めるか……？ 連絡先、知ってるけど。
（取材・文／昼間 たかし）
■「Jコミ」公式サイト
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