「好きだ!」と男に抱きつかれてアツい!! 『サムライフラメンコ』第3話

2013.10.26

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意下さい。

■『サムライフラメンコ』
第3話「フラメンコVSニセフラメンコ」

『サムライフラメンコ』公式HPより。

 2クールのアニメで、早くも覆面ヒーローの正体が世間に暴かれるのか!? と緊迫のラストを迎えた第2話記事参照。もやもやした気持ちで一週間を過ごしたファンのためにも、早速、第3話「フラメンコVSニセフラメンコ」のあらすじを見ていこう。

 マネージャー・石原澄(CV:中村千絵)に呼び出され、「正義くん、あなたサムライフラメンコでしょ?」と迫られる羽佐間正義(CV:増田俊樹)。「嘘だったら殺すけど」と凄む石原の言葉にも無表情のまま、「違います」と答えた羽佐間は、心の中で叫び出したいほどの恐怖を感じていた。

 そんな時、以前サムライフラメンコの動画を取り上げた番組から、再度羽佐間の出演依頼が届く。そこで番組は、サムライフラメンコの正体を暴くという。番組で何を質問されても「僕はサムライフラメンコじゃありません」とはっきり答えるよう石原に念押しされた羽佐間は、戦々恐々として頷いた。

 緊張した面持ちで出演者席に座る羽佐間だったが、番組独自の調査で突き止めたというサムライフラメンコの正体は思いも寄らない人物だった。その人物の名は、羽佐間が敬愛してやまないヒーロー「レッドアックス」(劇中歌は串田アキラ!)の要丈治(かなめじょうじ/CV:小杉十郎太)。憧れの人と会えた感激に打ち震えるものの、要ともあろう人物が嘘をついていることに、羽佐間は釈然としない思いを抱える。

 正義のヒーローに嘘をつかせたままでいいのか。海のように深く悩んだ末、羽佐間は要に自分の正体をサムライフラメンコであると明かし、嘘をやめるよう説得。しかし、話し合いは決裂し、後藤英徳(CV:杉田智和)立ち会いのもと、羽佐間は要と決闘するハメとなる。

 見るからに鍛えている要と中学生にも競り負ける羽佐間では、勝負は見えていた。しかし、どんなに倒されても立ち上がり、自身の“ヒーロー道”を訴える羽佐間に、要は男泣く。

要「今こそキミを、二代目サムライフラメンコとして認めよう!」

羽佐間「……はい!」(この時のノリで返事をしているが、もともと羽佐間が初代)

 不毛な会話で固い師弟関係を結んだ羽佐間と要は、ある計画を立てる。その後、要は“サムライフラメンコ”を撮影するために待機していた番組スタッフの元へ、私服姿で顔を出す。困惑するスタッフに要が映すよう促したのは、ビルの屋上でポーズを決める“サムライフラメンコ”の姿だった。

 時同じくして、その生放送を睨むようにして見ていた石原の元へ、私服姿の羽佐間が現れる。この時、羽佐間の代わりにビルの上でポーズを取っていたのはなんと後藤。その後藤が、心底気持ちのよさそうに心の叫びを上げる。

(やべぇ、コレ。すげぇ、気持ちいい……)

 誰もがテレビに映る“サムライフラメンコ”を本物と信じる中、自宅で放送を食い入るように観ていたアイドル・真野まり(CV:戸松遥)がつぶやく。

「……違う」

 羽佐間、要、後藤の行動は危機回避になったのか、さらなる波乱を生んだのか――。

 今回の見どころは、ずばり「濃ゆいオジサマの男泣き」。毎回、突っ込みどころ満載の『サムライフラメンコ』(以下、『サムメンコ』)だが、今回は新たなキャラクター・要丈治(元祖正義のヒーロー藤岡弘、氏激似)の登場でさらに妙なテンションが繰り広げられる。BL風味をお望みのファンにとっては、展開的においしく、キャラの組み合わせ的に残念で仕方がなかったことだろう。見るからに“熱いキャラ”が泣き上戸なのは、昔ながらのお約束である。そしてこのオジサマ、マッチョな身体で無駄に抱きつく。「好きだ!」と言って羽佐間に抱きついた相手が、要ではなく後藤だったら……と、ため息を漏らした腐女子も少なくないはずだ。

 ネット上では、「やっぱりBL路線でいくのか」と、呆れ気味のセリフが多数。しかし、一見そんな否定的な意見でさえ、『サムメンコ』にとっては褒め言葉になりつつある。ストーリー自体に否定的な意見は少なく「後藤のオチがいい」、「ヤバイ。想像以上に面白い」と、第3話は絶賛の嵐だった。ただし、話を追うごとに崩れていく作画には落胆の声があがった。ストーリーが面白いからこそ、細かいところが気になってしまうのがファンの心理だろう。

 今のところ“後藤がいてこそ引き締まる”後藤ありきの『サムメンコ』だが、次回はどんな笑いをお茶の間に運んでくれるのか。否応なく期待してしまう。

(文/牧野絵美)

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング