『キルラキル』第3話 エロ勇ましい鬼龍院皐月と纏流子の闘い

2013.10.19

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意下さい。

■キルラキル
第3話「純潔」

『キルラキル』公式HPより。

 第1話、第2話で、中ボス戦に敗北→アイテムゲット→再戦して勝利→大ボス・鬼龍院皐月(CV:柚木涼香)と対峙→貧血になり逃走、というパターンを繰り返した『キルラキル』記事参照。第3話は新たな展開となるのか? それとも……。

 第3話は、生徒会長・鬼龍院皐月の回想シーンから始まる。「これがお前の花嫁衣裳だ」という父の言葉に、少女の皐月は胸を踊らせる。視線の先、まるで「鮮血」(CV:関俊彦)のような眼を持つ服の名は「純潔」。皐月もまた神衣の継承者なのだろうか?

 場面は変わり、纏流子(CV:小清水亜美)が、訳知りの教師・美木杉愛九郎(CV:三木眞一郎)から神衣の秘密を聞き出していた。極制服には特殊能力を引き出す「生命戦維」が織り込まれていること、そして「生命戦維」のみで織られた服こそが神衣であること。そして、その秘密を独占するために、鬼龍院一族が流子の父・纏一身を襲ったのだという。

 一方、鬼龍院邸内秘密研究室には、自らの血で起動した神衣「純潔」に身を包まれ苦痛に悶える皐月がいた。

 翌朝、学園では、「純潔」と共に皐月が登校した流子を待ち構える。少女の頃から神衣に憧れていた皐月は、神衣・鮮血と流子を自身が戦うべき相手と認めていた。とうとう始まる皐月とのバトルだが、流子は「純潔」を“着こなした”皐月に歯が立たない。劣勢の流子に、鮮血はまだ自分が本当に“着こなされていない”ことを告げる。そして三度、貧血が流子を襲い、「鮮血」は起動を解いてしまった。

 ボロボロになった流子に迫る鬼龍院皐月。そこに満艦飾マコ(CV:洲崎綾)が乱入して叫ぶ。

「流子ちゃん! 恥ずかしがらないで、一気に脱いじゃえー!」

 マコの言葉に流子は悟る。神衣を“着こなす”とは、神衣を素肌にして一体となることだ、と。

「お前が無駄に血を吸っていたのは、私が恥ずかしがってお前を拒んでいたから。心を閉ざしていた分、血のつながりを欲した。そういう事だったんだな!」

「鮮血」と「人衣一体」になり、新技・片太刀鋏武滾流猛怒(カタタチバサミ・ブッタギルモード)を繰り出す流子。流子と皐月の激突の圧力に闘技場は揺るぎ、モブたちが豪快に吹き飛ぶ。

「ぶっ潰してやるよ! 野望とか志とかご大層に並べてる能書きを全部ひっくるめて、私がぶっ潰す!」

 その流子の叫びに鬼龍院が応える。

「私の野望を貴様が潰すというのか! 明日からすべての部活が貴様を狙う!」

「貴様を狙う我が生徒たちをすべて倒せ! そうすれば改めて私と純潔が貴様の相手をしてやる!」

 …新展開の今回は、OPの変身バンクが劇中に登場。『聖闘士星矢』のような演出に、思わず拳がグッとなった。ハイテンションと怒涛のバトルシーンは相変わらずで、今回初めて刃を交えた流子とラスボス(?)・鬼龍院皐月のバトル、特に爆風の描写はきもちいい! 動くアニメの醍醐味はこれ、という感。それもそのはず、第3話では、80年代に『うる星やつら』などで名を馳せたアニメーター・山下将仁氏が原画として参加。また、神衣変身シーンの原画は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の総作画監督でも知られる本田雄氏が手がけている。作画力ぱねえっす。

 また、第1回、第2回共にあった女子の逆磔というエロシーンがないのには少しガクっときたが、それでも、いやそれ以上に、『北斗の拳』ラオウの天を衝くポーズで、『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険Part7』のヴァレンタイン大統領のような台詞「我が行動に一片の曇り無し」(ややかぶり)と叫ぶ鬼龍院皐月のエロ勇ましさには大感動だ。

 ネット上でも「清々しいまでの馬鹿アニメ」(だがそこがいい)、「皐月さんケツ丸出しwww」(だがそれがいい)という声が。今後の展開を予想して「これは服に乗っ取られるパターンと見た」といった意見もあった。

 これから全部活の長たちと戦う破目になったらしい流子。次々と怪人が襲いかかる設定は昭和『仮面ライダー』のようだが、それだけならワンパターン過ぎるし、ハイテンションバトルに作画崩壊の不安もつきまとう。果てして「偉大なるマンネリ」へと向かうのか? どうなのか?

 いやそれでもだがしかし、ここまで餌付けらたらもう観続けざるをえないのである。80年代感にあふれたED、たまらんよね。
(文/尾野スミ)

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