コンビニからエロ本が消滅、エロマンガも危機に 生き残るための手段は……

2019.11.03

イメージ画像/Photo by Dick Thomas Johnson from Flickr

 もうマンガはお金を払って読むものという常識すら形骸化しつつあるのか。コンビニからエロ雑誌が消滅して数カ月が過ぎた。出版社はそれぞれに生き残りの途を探っているが、なにが正解かはまったくわかっていない。

「18禁のマニア誌に路線変更して生き残りを図るという出版社もあるようですが、マニア誌だって決して売れてはいない。ネット全盛の現代に紙の雑誌を買う人は少数派。会議では、もうエロからは完全に手を引いて鉄道とか趣味系のムックで儲けようなんて案も出ていますよ」(エロ本編集者)

 コンビニからエロ本が撤去されるにあたって、言及が多かったのはコンビニで売られるエロ本がネットを使いこなせない高齢者のためのものになっているということであった。コンビニからエロ本が消滅して困るのは高齢者ばかりではない。若年層にもその影響は及んでいるのだ。

 コンビニで売られていたのはグラビア誌ばかりではない。エロマンガ雑誌もまだまだ根強く残っていた。だが、それらが消滅したことで若年層は、ネット以外でエロマンガに触れる機会が激減してしまったといえる。

「現在の若年層は二極化していて、ネットで早くから18禁のエロマンガを楽しむ層と、そうしたものを忌避して青年誌とかラノベのイラストレベルで興奮する層に二極化しているといわれます。ただでさえ、将来の読者を育てるのは困難になっていたのに、コンビニからエロマンガが消滅したことで、困難さはさらに増しているといえるでしょう」(前同)

 現在の30歳より上の世代は、18歳にならないうちに、コンビニでドキドキしながらエロマンガ雑誌を買うあたりからスタート。そのうち次第に性癖を育てられたはず。そうした人生修行がネットの隆盛とコンビニからのエロ本の消滅によって困難になってしまったのだ。

 これまでは当たり前にいた読者を今後どう育てていけばいいのか。
(文=大居 候)

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