薔薇族だった時代 ~1984年正月号の過激な別バージョン 第31回

2019.08.15

撮影:津田広樹(※)

 1983年の新年号(1982年の年末に発売)は、連載の第8回でご紹介したカセットレーベル付き見開きのものだった。

 そのときは野外プールに競パン姿のイケメン大学生の写真に英文字で、お正月の挨拶を掲載したのだが、1年後の1984年正月号は、この画像の通りひらがなで「あけましておめでとうございます」の掲載レイアウトにした。

 人気の現役大学スポーツ選手が、自室で全裸で寝ている写真にしたので、寝正月にしてしまった薔薇族読者もいたかもしれない。実は、この大学生の自室全裸画像は、うつ伏せでなく上を向いて寝ているモロだしバージョンも撮影していた。しかし、正月から股間を黒く消すのはなものいかがなものか、との考えから、うつ伏せバージョンを使うことになった。

 気持ち良いくらい堂々と全裸で撮影させてくれたこのイケメン大学生を撮影したカラーポジは、編集部に戻した後は全て行方不明らしい。残念でならない。

【津田広樹プロフィール】
 いわゆる80年代アイドル全盛の時代にスチール撮影のみならず、その多才さを認められてグッズ等の企画発案にまでもマルチな才能を発揮したキャリアをもちながら、あらたなる新天地として当時の有力ゲイ雑誌であった薔薇族の出版会社に編集部員として転身。その後もさらにその非凡なる才能の昇華は衰えを知らず、グラビアや企画ページ等にも幅ひろく手腕をふるい、多くの絶賛を得るまでにおよぶ。そして1996年にはゲイ業界初の試みであった3D写真集付き映像ビデオ、ジャック・リードを発売し世に送り出した。
 さらにオリジナル競パン付きDVDの発売など革新を起こし続けるも、無断配信に苛まれ、昨年に全ての映像ソフトのレーベルを手離す。しかし長年ににわたり不変的な価値観を持ち続ける津田広樹の世界観は色褪せることのなく、その真価を現在も世に問い続けている。 

●津田広樹Twitter 
https://twitter.com/hk8efj4xx3zxkim

※画像の加工は編集部によるもの

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