『ストーカー行為がバレて人生終了男』ストーカーだからこそ分かる犯罪心理!ちょっとエッチなクライムサスペンススリラー!

2018.07.26

『ストーカー行為がバレて人生終了男』第1巻/門馬司・芥瀬良せら

 ストーカーにまつわる相談件数は、警視庁の発表によると平成29年は28年に比べると6.2%ダウンの2,426件だったらしい。しかし、ストーカー規制法による検挙数は、ここ数年大きな差がない。それどころか、25年と比較すると2倍とは言わないまでも、明らかにストーカーに関係した事案が増えていることが分かる。

 いまやストーカーは社会問題であるが、そのぶん小説やマンガなどの架空の世界では実に題材として扱いやすいようだ。今回もストーカーをテーマにした作品を紹介しよう。『ストーカー行為がバレて人生終了男』だ。

 さえない大学生の主人公・影沼秀夫は日々のストレス解消のため、帰り道などで見つけた美女のあとを付け(ライトストーキング)、居住区をマッピングしていくことを趣味にしていた。そんなさえない主人公だが、大手企業から内定を得る。それを境にストーキングの趣味を止めようと決意するも、帰りの電車の中でドストライクで好みの女性を見つけ、最後のストーキングを開始してしまう。

 しかし、ストーキングが失敗してしまう。彼女はストーカー被害に悩む女性であり、警察が警備にあたっていたのだ。犯人と誤解された主人公は警察に連行されてしまう。人生終了かと思われたが、なんとか誤解が解ける。すると、その女性からこんどは「ストーカー犯を探してほしい」と依頼される……。

 今作の主人公は、なかなかのねじれた性癖の持ち主だ。街で見かけた美女のあとを付け、マッピングをし、自らの美女地図を持っているのである。現実にこんな男がいたら、即アウトだ。しかし、現実的にやろうと思えば誰でもやれる範囲なのが恐ろしい。

 それにしても、この今作はなかなかエロイ。ストーカーを主人公に依頼する女は、元アイドルで、現キャバ嬢という設定だ。そのためか、肌の露出は多いし、胸チラはするし、意図的にパンチラするし、主人公に唾液を吐きかけて飲ませるなどのご褒美…ではなくひどい行為をするなど、なかなか妖艶だ。気は強いが付け入るスキも多そうである。だからこそ、ストーカーされてしまうのかもしれない。

 主人公はさえない大学生なのだが、自分の性癖を負い目に、女の依頼を一生懸命にこなそうとする。そこにエンターテイメント性が生まれ、今作の物語性に犯人探し以外の彩が生まれる。本当は女の依頼なんて断りたいのに、女の色香に負けて断れない様など、男ならちょびっとばかり共感してしまうだろう。

 1巻の最後には犯人とおぼしき男が現れる。一体、どうなるのか。女のセクシーショットは2巻でも堪能できるのか。非常に楽しみだ。

 念のためだが、作中の主人公をマネしてライトストーキングであっても犯罪とみなされる。絶対にやめておこう。
(文=Leoneko)

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ストーカー行為がバレて人生終了男 1
掲載誌/レーベル:マガジンポケット
著者:門馬司・芥瀬良せら
出版社:講談社

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