服部昇大の「おあつあついのがおすき」第1回

マンガ家・服部昇大が、マイナーだけど〈おあつあつ〉なマンガを紹介!『淫獄船~壮絶‼︎ 船上奴隷のご奉仕日記180日~』

2015.07.05

(イラスト/服部昇大)

 はじめまして。服部昇大というマンガ業界の端っこで細々とマンガ家をやっている者です。「おたぽる」編集部の粋な計らいによって、今月から連載をスタートさせていただくことに、あいまみえました。みなさん、よろしくね!

 さて、有名なマンガ、売れてるマンガ、これから流行りそうなマンガのレビューはネット上に無数にあれど、(かくいうわたくしも含め)マイナーなマンガが紹介されることって、滅多にないんですよね。なので、この連載では自分が収集した「マイナーだけど、これは熱いぜ……あつあつだぜ! むしろ、最上級の敬意を込めて〈おあつあつ〉だぜ!」という漫画を紹介していきたいと思います。

 世の中には「週刊少年ジャンプ」(集英社)や「週刊少年マガジン」(講談社)、「週刊少年サンデー」(小学館)など、星の数ほどのマンガ雑誌がきら星の如く輝いておりますが、読者の皆様、「禁断Lovers」(ぶんか社)はご存じでしょうか。

禁断Lovers」(ぶんか社)vol.48号

 電子書籍のみのTL(ティーンズラブ)雑誌という非常にニーズが限定された専門誌なので、一般の方々はなかなか目にする機会も少ないと思います。

 ちなみに……

 表紙の左端に「欲棒一本ヤリ娘」という謎のフレーズが書かれていますが

「禁断Lovers」(以下、禁ラバ)には毎号「特集」と銘打たれたテーマがあるんです。この特集テーマが非常に毎回オリジナリティに溢れているので、紹介したいと思いますね。

特集「全身性感帯」

禁断Lovers vol.24」(ぶんか社)

特集「最下層肉奴隷」

禁断Lovers vol.25」(ぶんか社)

特集「夜這い村」

禁断Lovers vol.23」(ぶんか社)

特集「愛汁ブシャー イクッシー」

禁断Lovers vol.43」(ぶんか社)

 いかがですか、この衝撃的な特集内容。「夜這い村」特集なんて、まったく想像がつきませんし、「愛汁ブシャー イクッシー」に関しては出版不況の昨今、ここまで無意味に攻めた文言を表紙に据えていることに男気すら覚えます(女性向け雑誌のはずなんですけどね)。

 そして、記念すべき第一回の連載において紹介する熱いマンガこそ、この「禁ラバ」におさめられたナツミチハル先生の『淫獄船~壮絶‼︎ 船上奴隷のご奉仕日記180日~』です。

ナツミチハル淫獄船~壮絶‼︎ 船上奴隷のご奉仕日記180日~(以下、『淫獄船』/ぶんか社)より。

 表紙を連続で見た後だとインパクトが薄い気もしますが、これがなかなかどうして素晴らしい作品で、電子書籍でしか販売されていないのが不思議なくらいです。

 ちなみにストーリーをざっと説明しますとですね、主人公のお嬢様・麗(うらら)は死んだ両親の借金を返すため、性に飢えた輩の集まる淫獄船に乗せられてしまう、という我々の予想だにしない熱い方向に物語が進行していきます。

(『淫獄船』より)

 豪華客船ゴールデン・パール号なんてのは表向きの名前。麗が乗せられたのは恐怖の淫獄船だった――。いや、ゴールデン・パールって名前もエロさを隠せてない気がするんですけどね。

制服もデフォルトでケツがビリビリ!(『淫獄船』より)

 お嬢様の麗はイケメン船長・碇雅臣(いかり・まさおみ)に、たいそう気に入られてしまいます。

麗が吹いた潮で、運命が変わる……!(『淫獄船』より)

 そして、ドラマティックなことがいろいろ起こり(大事なところははしょります)、最終的に2人は結ばれます。

 操縦士たち、すげえ見てる。(『淫獄船』より)
 まだ見てる。(『淫獄船』より)

 そして……!

何を選んだらこんなことに(『淫獄船』より)

 という感じの内容の全六話。あつあつにおすすめです。ぜひ書籍化していただきたいものですね。以上、服部昇大でした。

服部 昇大(はっとり しょうた)
マンガ家。著書に『ダークアクト』や『魔法の料理かおすキッチン』(共に集英社)など。現在となりのヤングジャンプにて『今日のテラフォーマーズはお休みです。』連載中。最新巻第3巻は8月19日発売予定!〈http://tonarinoyj.jp


服部昇大氏による著今日のテラフォーマーズはお休みです。第2巻(集英社)

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