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「第15回広島国際アニメーションフェスティバル」【番外編】

「日本人のほうにギャップを感じる」『日本のアニメは何がすごいのか』著者・津堅信之に聞いた“アニメ”と“アニメーション”区別の重要性 

2014.09.20

 また今回、広島にてカートゥーン・ネットワークが行ったセミナーで紹介していた『Exchange Student Zero』は、日本の“アニメ”キャラクターが“アニメーション”の世界にやってくるという作品である。登壇したカートゥーン・ネットワーク関係者らも、ハッキリと“アニメ”と“アニメーション”という言葉を使い分けていた。

津堅「日本の商業アニメを“アニメ”、海外の作品(それに準じて日本人が制作したものを含む)を“アニメーション”という考え方のほうがスッキリするし、僕らが“アニメ”と“アニメーション”の区分けをしやすくなったのも、海外での状況というのがあった。“アニメ”という言葉は、ある意味、逆輸入されて使いやすくなった概念なのに、最初は“ジャパニメーション”って言葉のほうが先に入ってきちゃった。だから、僕らは“ジャパニメーション”って言葉を消すのに必死だった。今でも“ジャパニメーション”という言葉を使ってるマスコミがあるけど、本の中では使わないようにしようと呼びかけている」

 具体的に最近、これらの使い分けに関して日本人のほうにギャップを感じたのは、09年にスイスの第62回ロカルノ国際映画祭で津堅さんが日本特集を組んだ時だという。

津堅「あの時は細田守監督の『サマーウォーズ』がコンペティションに入っていて、それに加えて大きな日本特集が組まれて、確か日本の作品が160本くらい上映されてた。プログラムを作る時に、現地のオーガナイザーからリクエストのある作品というのは、ほぼ“アニメ”。でも日本のオーガナイザーは、広島でもやってるような日本人の短編“アニメーション”を入れたいわけ。そこでどれくらいギャップが生まれたのかわからないけど、向こうから挙がってきたプログラム原案と、こっちから“アニメーション”として加えたい短編とでバージョンが変わったのを見た時に、色々とプログラムから消えてたりした。

 それと、これも本に書いたけど、日本の代表作みたいな感じで『はだしのゲン』は現地のオーガナイザーから、プログラムに入れるよう注文が入ってくる。真崎守さんが演出したバージョンは見たことがない人が多いと思うけど、主体的ではないにしても、言葉とか食文化だけじゃなくて、海外の観客は『はだしのゲン』みたいな作品を通して日本文化を学んでるところがある」

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