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音楽的『ジョジョの奇妙な冒険』考察

「ノトーリアス・B.I.G」ら音楽的視点から考察する『ジョジョの奇妙な冒険』スタンドレビュー

2013.12.08

 無敵かと思われたスタンド「ノトーリアス・B.I.G」は、トリッシュのスタンド「スパイスガール」が発現するきっかけを作り、彼女の機転によって永遠に海をさまようことになる。1997年のビルボートによる年間アルバム・チャートでも1位は本家スパイス・ガールズのデビュー・アルバム「Spice」であり、残念ながら発売年での売上では「Life After Death」は「Spice」に及ぶことはなかった。何気にこんな一幕もジョジョの物語と一致する。

 ちなみに荒木飛呂彦は週刊少年ジャンプの連載当時の巻末コメントで「最近よかったCD『ノトーリアスビッグ』の新作。でもこの人死んじゃったらしいんですけどね」と残している(1997年36号より)。インターネットもない、まだヒップホップの概念も日本に浸透していない、海外の最新情報も手に入れづらいこの時代にビギーの新作をいち早く入手し、作品にも反映させていた荒木の先見の明が光るスタンドと言える。

【註1】東西抗争
 東海岸ヒップホップを代表するザ・ノトーリアス・B.I.G.擁するディディ(当時パフィ)のレーベル「Bad Boy Records」と、2パックやスヌープ・ドッグを抱えるシュグ・ナイトとドクター・ドレーが設立した西海岸ヒップホップを代表するレーベル「Death Row Records」による抗争。アーティスト契約上の諍いでBad BoyとDeath Rowが敵対関係となり、1996年に2パックが何者かの銃撃によって死去、その半年後にはビギーも同じく銃弾に倒れ、両レーベルのトップを失うという悲劇が起きた(いまなお両者を銃殺した犯人は未逮捕のまま)。なお、第五部がスタートしたのは1995年で、カルネは1997年に登場、ヒップホップ・ファンにとっては興味深い事実であったはずだ。

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