「月刊ブシロード」創刊の理由を木谷社長と編集長が激白!! ライバルは「Vジャンプ」!【前編】

2013.11.11

月刊ブシロード(ブシロード/2013年12月号)

 タレント・DAIGOを起用した『カードファイト!! ヴァンガード』のCMをメディアに大量投下し、話題となった株式会社ブシロード。その名物社長・木谷高明氏が、また新たな仕掛けを繰り出した! さんざ出版不況が叫ばれる中で、なんと月刊少年マンガ誌「月刊ブシロード」を創刊したのだ!!

 しかも、その新プロジェクトの責任者・相良洋一編集長は、前職が女性週刊誌の芸能担当であり、ビッグダディなどの数々の話題のヒット書籍を手がけてきた、知る人ぞ知る変わり種!? この新プロジェクトの勝算は? 名物社長の頭の中は? 

 ユニークな人材が集まるブシロードの秘密を探るべく、社長と編集長を直撃! インタビュー中に“公開ダメ出し”まで始まる始末に……

――創刊のいきさつは、それまでマンガ版『カードファイト!! ヴァンガード』を連載していた「月刊ケロケロエース」(角川書店)が休刊になったからだとお聞きしましたが、理由はほかにありますか?

ベルトを肩に担ぎ、ポーズを決めるブシロードの木谷高明社長。

木谷社長(以下、木谷) それしかないです(笑)。そうじゃなきゃ、自分たちで出版なんて無謀なことはしませんよ。

相良編集長(以下、相良) 私が以前いた週刊誌で、木谷社長にインタビューさせてもらったことがあって。その時に「手広く事業展開してますけど、出版はやらないんですか?」と聞いたら、「そんな割に合わなくて手間もかかること、やらないよ!」って断言してたんですけどね。

木谷 『カードファイト!! ヴァンガード』の連載は、どうしても続けたかったんです。でも、今は出版不況でしょう。他誌で連載を再開しても、そこが休・廃刊になってしまったら根無し草になってしまう。それは避けたかったんです。当初は他誌でできないか調整していたんですけど、調整をすればするほど「自分たちでやったほうがよさそうだな」と。

相良 僕がこの会社に入った当初は、「月刊ブシロード」創刊の件をまったく知らなくて。

木谷 雑誌作りのノウハウを持っている相良君が来るからできるだろう、っていう考えもありましたしね(笑)。

相良 初めて聞いたときは「これは大変なことになるぞ……」って、頭の中が真っ白になりましたよ……。前職を退職して、しばらくは南国にでも行ってゆっくりしようと思ってたのに、社長から「いつから来れるの? ねぇ、いつから?」なんて迫られるもんだから、何かあるとは予感しましたが、想像以上のドッキリでしたね(笑)。

――それにしても、「ケロケロエース」が7月発売号で休刊じゃないですか。それで「月刊ブシロード」が9月6日創刊。ものすごく短いスパンで作りましたね。

木谷 「ケロケロエース」さんには失礼な言い方ですが、ゴールが決まった雑誌って、残念ながら作り手もそこに魂が込められなくなるから、どんどん内容が薄くなるじゃないですか。だったら、早く切り替えたほうがいいぞって思って。

相良 社長は決断が早いから(笑)。それに、この会社自体にコンテンツ制作のノウハウはあるし、業界へのつながりもあって、その下地がしっかりしていたから、このスパンで創刊できたということもありますね。

木谷 おかげで創刊号は好調ですね。ここ数年で出荷率が5割を超える月刊誌はなかったそうですが、創刊号は約6割くらい売れました。ゲームカードや声優のポスターを付録で付けられるという強みもありますから。

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