手塚治虫の大サーガ『火の鳥』カラー&発表順になって不死鳥のごとく甦る! 

2013.11.26

火の鳥 1 黎明編/手塚治虫

 手塚治虫のライフワークとして、いまだに多くのファンを持つ『火の鳥』。そのカラーページ、2色ページを含む<決定版>を11月27日~2014年4月29日にかけて随時リリースする。

 これまで出版されてきたシリーズは、文庫版やコンビニ廉価版の体裁に合わせて、発表された時系列順ではなく、体裁に合わせて編集されてきたが、今回の<決定版>は全12編を初出のままの配列で並べ、全11巻にまとめたもの。1994年に刊行された角川書店の文庫版で新たに描かれたカラー原稿や、雑誌『COM』連載時の2色ページなどを再現した内容が盛り込まれている。

“火の鳥”のもと、人類誕生の頃から未来に至るまで、ありとあらゆる時代と場所で繰り広げられる命の物語。未完のサーガながら、手塚治虫の知識、見識、表現のすべてつぎ込んだ作品といっても過言ではない本作。イザナギや卑弥呼、ヤマトタケルが登場する定番の黎明編、ヤマト編から、事故に遭った主人公が人間とロボットの狭間で苦悩する復活編、7世紀と21世紀の世界が交互に描かれる太陽編など、縦横無尽に繰り広げられる生命の物語。特に未来の描写は、今なおまったく古さを感じさせない筆力を再認識させられる。

 本書は、マンガの枠に収まらない、歴史・哲学書なのである。

火の鳥第1巻<黎明編>
作:手塚治虫
発売日:11月27日
価格:1巻 本体998円、2巻以降1785円(共に税込)
出版社:小学館クリエイティブ

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