ヘタの研究 vol.6
役者が言う「役が普段の生活でも抜けなくて」は8割ウソ! 演技指導者に聞く【ヘタの研究】
石徹白未亜
2019.08.17
■演技がヘタな人が上手くなっていく過程は「ウォーター!!」ではない
――演技がヘタな人がウマくなるときって、どんなきっかけからなのでしょうか。
伊藤 表現しようとするのをやめると、上手くなります。
感じることが大切だ、と役者に伝えると「わかってます、わかってます」と皆言うんですけど、口ではそうはいってもやはり、表現しようとしちゃうんですよね。
――頭ではわかっていても心ではわかっておらず、それに本人も気が付いていなかったり、どうしていいかわからないときって、本人も苦しいでしょうね。
伊藤 しかも表現するのをやめられることに成功したところで、いきなり進化するわけでなく、今度は違うタイプのヘタになったりするんですよね。
――ヘレンケラーが「ウォーター!」となったときのような、劇的進化がないとなると、本人もこれでいいのかと不安になるでしょうね。
伊藤 でも、歯車が合いそうな匂いがしてくるんです。今までの上澄みだけの、まったく合わなそうな感じからは兆しが見えてくる。
さまざまな人を見てきましたが、ゆっくりした成長が多く、いきなり劇的進化、というケースはなかなかないですね。
(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])
■伊藤丈恭著『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』(アスコム)
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