松田聖子 Legend ~中学生に囲まれて危機一髪の聖子ちゃん~

2019.07.19

画像提供:瑠衣羽香

 1981年の松田聖子サマーコンサートプログラムの表紙用に、ショッキングピンクのワンピースが選ばれました。

 この日の撮影は午前中から代々木公園で、このショッキングピンクのワンピース撮影からスタートすることになりました。駐車場に停めたワゴン車の中で、着替えてヘアメイク完了した聖子ちゃんは、前日にマネージャーさんたちとカメラマンさんのアシスタントさんがロケハンした、公園内の綺麗な場所に移動するため歩き出しました。

 しばらく歩くと、普段は人のいないはずの芝生に大勢の制服姿の中学生男女が100人くらいいました。マネージャーさんたちが、マズイと思いつつ聖子ちゃんとその場所を通過しようとしましたが……。「夏の扉」が、発売されて1カ月経過した頃のオーラある聖子ちゃんが、こんな目立つ色のワンピースで、代々木公園を歩いて気がつかない中学生などいるわけがありません。

 ひとりの女子中学生が「聖子ちゃんだ~」と言うと、男子中学生が「うわぁ~松田聖子だぁ」と騒ぎ出し、ものの10秒で100人の中学生たちが、聖子ちゃんから 2メートルくらい離れたかたちで円になる感じで取り囲みました。わたくしもマネージャーさんたちと身動きとれなくなり焦りました 。

 本物の聖子ちゃんを目の前にした中学生のひとりの男子が聖子ちゃんに近づき、「握手してく・・・」と言いかけた途端に100人全員が、聖子ちゃんに接近しました。絶体絶命! と思った途端にコンサート制作のSさんが聖子ちゃんをガードして、「ダメダメ~ 先生どこですか~生徒を離して!」と叫び、近くから何名かの先生らしき人が「離れなさい!」と怒鳴ってくれました。すると、すぐに中学生たちは離れてくれましたが、本当に危機一髪でした。

 身を挺して聖子ちゃんを守ろうとした制作のSさんは、小柄で普段は優しい方です が、聖子ちゃんを守る瞬発力に感動すら覚えました。

 予定通り、別のポーズでの撮影も無事に進み、代々木公園でのオープン撮影は終了しました。前日に撮影手続きをしたカメラマンのアシスタントに、公園の方が「明日は中学生の写生会がありますよ」と教えてくれていたらと、公園の担当者に少しだけ憤慨しました。アシスタントが、制作のSさんに少しだけ注意されていたので。そんなアクシデントがあったけれど、素敵な聖子ちゃんに撮れていますよね。
(文=瑠衣羽香)

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