トップ > その他 > 記事詳細  >  > 2ページ目

“お約束”が見えるとドラマは何倍も楽しくなる――ドラマ『ルパンの娘』第2話

2019.07.19

■見えてくる“お約束”と心置きなく入れられるツッコミ

 そこからはまさに、このドラマのクライマックスとなる。

 犯人に接触を図り、引っかかったふりをするマツ。しかし、マツが犯人と間違えて気絶させてしまったのは、華に呼び出された和馬だった。

 やむなく、和馬を眠らせているうちに、華たちは泥棒へ変身し、敵の本拠地へ乗り込む。乗り込んでいる時、明らかに華のキャラが変わっている。キビキビとした身のこなし、力強い口調。盗みを働いている時の高揚感を感じる。

 さまざまな技を繰り出し、無事お宝を手に入れることのできた華たち。黒幕の猪熊(西沢仁太)と向き合った華は、和馬の気持ちを代弁するかのように言うのだ。

「弱者を食い物にしやがって!」

 これは多分、華自身の思いでもあるのだろう。二人が愛し合っているのは、この通じる気持ちがあるからかもしれない。

 結局、華たちの活躍によって、事件の首謀者は、和馬が逮捕することとなった。

 今回も最後にちょっとしたどんでん返しがあった。祖母のマツは、和馬が訪ねてきた時に、彼が警察官であることに気づいていたのだ。それで、警察バッジを隠し、他の家族に見せないようにしていた。

 事件が解決した後、バッジは和馬へと返されたが、マツはどんな狙いでそうしたのだろうか? 華と和馬の関係を応援してのことなのか、はたまたこれをネタに華に無理をきかせる算段なのか。なにせ、泥棒一筋何十年という年季の入った祖母のこと。今後の出方が実に気になる。

 第2話を見終えて、このドラマのお約束のようなものが見えてきた。円城寺とのミュージカルシーン、泥棒スーツに着替える時の艶やかさ、そして最後のどんでん返し。こういったものがあることによって、どこか「安心して」ドラマを楽しめる気持ちが出てくる。その上で、工夫された演出を見ていくと、面白さも増してくるというものだ。

 ちなみに、今回の番組表に書かれていたドラマの紹介は「世界がツッコんだ!濃厚キャラ大渋滞コメディ」というもの。そうなのだ、なにか大きな流れがわかった上で、いろいろな小ネタにツッコミを入れながら見る、これがこのドラマの正しい楽しみ方なのかもしれない。次回以降も、安心してハラハラできる展開を期待しよう。

(文=プレヤード)

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング