いよいよVRの部屋の狭さも解決か 中国企業が開発する歩行用デバイスに期待が高まる
2019.06.23
そう、VR普及のために、こういうのを待っていたんだよ。
VRは楽しい。ものすごく楽しい。でも、楽しむ一方で問題はある。それは日本特有の部屋の狭さである。
VR機器というのは、単にゴーグルを装着すれば楽しめるというものではない。部屋にセンサーを設置する必要がある。そのセンサーが人の動きを感知して、ゴーグルの中の景色も動いたりするというわけである。
でも、センサーがちゃんと機能するためには、部屋のスペースを確保しなければならない。筆者が使っている「HTC VIVE」はけっこうなスペースが必要。
推奨スペックは、だいたいこんな感じだ。
・最大ルームスケール:3m × 4m
・最小ルームスケール:2m × 1.5m
ただ立っているだけとか、座って操作するのであれば、これよりも狭く設定はできる。
でも、それだと目の前に広がる空間を移動しながら体感するという、VRならではの楽しみは味わえない。
そして、部屋が狭いと危ない。『カスタムオーダーメイド3D2』ではメイドに触ろうとして、コントローラーをガッツンガッツン、壁やモニターにぶつけまくる。『VR戦艦大和』で艦内見学を楽しんでいたら、コケた。
正直、よほどの豪邸に住んでいない限り、日本の住宅で推奨されるスペースを確保することは難しいだろう。いっそ生活のためのスペースをカットするくらいの覚悟が求められる。
だが、そこにようやく救世主となるツールが登場しようとしている。中国のKAT VR(Hangzhou Virtual Technology)が開発した歩行用デバイス「KAT loco」である。
公式サイトによれば、このデバイスはセンサーを装着することにより、その場足踏みするだけで前進や後退ができるという。いよいよ部屋が狭くても広大な空間を動き回ることが実現しそうだ。
少しずつ改善されていくVR導入のハードル。いずれは人類がみなVRを楽しむ素敵な時代がくるといいな。
(文=昼間 たかし)