Nintendo SwitchのVR対応で状況は変わるのか 『Nintendo Labo: VR Kit』でVRの敷居は下がる?
2019.03.07
「VRってホントに普及するんだろうか?」
日々、さまざまな技術の進化に期待をしつつも、不安はないわけではない。「VR元年」といわれたのは2016年。VRヘッドマウントディスプレイが次々とリリースされ、Play Station VRも登場した。各種のイベントもこの頃から増えた。
イベントなどを取材すると、VRヘッドマウントディスプレイを用いて主観で目の前にヒロインがいるという体験もできた。これは、未来がやってきたという感覚は確かにあった。
そして、今やVRchatには大勢の人がログインしている。ILLUSIONの作品だとか『カスタムオーダーメイド』などなど、VRが楽しめる作品も次々登場し、その楽しみをネットを通じて教えてくれる人はたくさんいる。
でも、まだハードルは高い。
機材が高いのは承知の上だが、いざ始めようと思ったら、機材よりも技術面での心理的ハードルが高い。VRchatの場合だと、まず自分の理想的なアバターをどうやって作るのか……必要なのは、金か技術かセンスか。そもそも、どういうものを使えば作ることができるのか。『カスタムオーダーメイド』なんかだと「MODってなに?」というところからスタートであろう。
そうだ、初めて自分の家にインターネットがやってきたときに、ダイヤルアップモデムの特徴的な音の後、ようやく接続された時に思ったことと一緒だ。
「いろんなことができるのは、わかってる。でも、なにをどうやれば、それができるの……?」
実に、そのハードルを越えていくのは楽しいのだが、世の中そんな人ばかりじゃないのも事実。このまま、VRはコアなユーザーのものとして終わるのか? と、思いきや、ここにきて普及の兆しが見えている。
3月7日、任天堂の『Nintendo Labo』シリーズの新作『Nintendo Labo: VR Kit(ニンテンドー ラボ VRキット)』が4月に発売されることが決まった。ついにNintendo SwitchもVRに対応。なお、ネットでは1995年に任天堂がリリースした3Dゲーム機「バーチャルボーイ」のバーチャルコンソールが熱望されている。
任天堂だけでなく、年内にもVR対応の機器が発売されるとの観測が各地でなされている。これを出発点に、ついにVRは当たり前のものとして認知されるのか。とても楽しみな情勢である。
(文=昼間 たかし)