特別授業 開催レポート

庵野秀明と川上量生がN高で特別授業。学生時代にやっておくべきことは「片思い」と「英語」!?

2017.10.06

庵野秀明,と川上量生のN高特別授業

 2017年10月5日、N高等学校は沖縄伊計本校でのプレミアムスクーリンクの「総合的な学習の時間」にて、映像作家・庵野秀明とN高理事・川上量生による特別授業を実施し、その模様をニコニコ生放送でも中継した。

 特別授業は「好きなことを仕事にするために高校時代にやっておくべき 10 のこと」と題し、『エヴァンゲリオン』シリーズや『シン・ゴジラ』などで著名な映像作家・庵野秀明氏を迎えての対談形式で行った。

 N高生を前にした庵野氏と川上はまず、「どんな中高生だったのか」についてトーク。庵野秀明は「中学のときは優等生だったが、『宇宙戦艦ヤマト』にハマってからはカセットテープでずっとヤマトの音を録音して聞いていた。当時は覚えていても役に立たないと思っていたが、今になってみると役立っている」と中学当時を回想し、さらに高校時代は進学校に入学するも、漫画やアニメに夢中になって問題児扱いだったという過去を明かし、「ヤマト、アニメ、漫画、麻雀ばかりの高校生活だった」と語った。

 一方、公立中学に通っていたという川上量生は「しょっちゅうガラスが割られるような学校だった」と振り返り、クラスでのトラブルを先生に相談するも喧嘩両成敗として片付けられた経験から、「子どもは、大人や先生のことを賢いと思うし、自分の知らない答えをもらえると期待する。ただ、今思うと大人だから賢いとうわけではない」と話した。

 また、「中高時代に何をやっておくべきか」という点について川上量生は、「好きなことをやるほうが忍耐力がつく」と持論を展開した。「世の中のたいていのことは努力できるかどうかで決まる。高校時代に好きなことを本気で続けた人は努力の限界値が普通の人より増える」と述べ、これに庵野秀明も同意した。

 さらに川上はコミュニケーション能力の大切さを強調し、「人間は基本的に自己中で、人の気持ちがわかるのは重要なスキル。恋愛、特に成就しない片思いを若いうちにするのがいい。相手の立場に立って想いやれる」と中高時代の片思いの経験が重要であると熱弁した。

 これに庵野秀明は「コミュニケーションってそういうこと」とうなずき、「大人になって結婚を機に車を運転するようになった」と述べ、「曲がるにはウインカーを出すし、ルールを守らない車もいる。コミュニケーション能力がないと車には乗れない」と自らの経験をもとにコミュニケーション論を展開した。

 それに加えて川上量生が重要視するのは「英語力」とのことで、単に喋れるというだけでなく「他のスキルにプラスアルファで英語が喋れるのが強い」とアドバイス。英語の重要性については庵野秀明も強く同意するところで、「英語の勉強はしておけばよかった。英語だけはやったほうがいいと思う」と生徒たちに語りかけていました。

 最後に質疑応答のコーナーでは、会場の生徒たちから質問が殺到した。「これからの社会は学歴を優先しなくなっていく?」という質問には、川上が「業界にもよるが、すでにIT業界では学歴を気にする人はいない。同じ大学ということでシンパシーや派閥は生まれるかもしれないが、学歴を根拠に能力を判断することは減っている」と回答した。

 さらに、「プラスアルファで英語ができるといいのはわかったが、基礎となる部分は何を選べばいいのか」という質問に対して、川上は「競争する人が少なくて世の中に求められていて、さらに自分が得意なことなら何でもいい。好きと得意とは違うので、好きじゃなくても得意なことから選ぶべき。そうするとうまくいく可能性が高い」とアドバイスを送った。

  庵野秀明と川上量生による対談にニコニコ生放送視聴者からは、「参考になりました」「いい話だった」「もっと聞きたかった」といったコメントが多く書き込まれていた。

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