「何やってんだこいつらw(賞賛)」庵野秀明が『シン・ゴジラ』発声可能上映に登場! 島本和彦との熱い握手に称賛の声

2016.08.16

『島本和彦』のTwitter(@simakazu)より。

 上映前から話題となり、上映後はシリーズ累計動員数1億人を突破するという破竹の勢いを見せている映画『シン・ゴジラ』。同作の「発声可能上映」が8月15日に行われたのだが、当日は総監督・脚本を務めた庵野秀明をライバル視していたマンガ家の島本和彦が参加。さらに庵野も登壇し、熱い握手を交わすという流れに。これには「何やってんだこいつらw(賞賛)」「熱すぎる!」と称賛の声が上がった。

 島本と庵野と元々は大阪芸術大学の級友であった。島本の自伝的作品『アオイホノオ』(小学館)では、庵野の作品に主人公が衝撃を受けるという場面を描くほど強く庵野をライバル視していたという島本。そんな島本が『シン・ゴジラ』鑑賞後、7月28日の自身のTwitter(@simakazu)で「庵野……オレの負けだ……」とツイート。敗北宣言をしたと大きな話題になった。

 そして8月14日開催の「コミックマーケット90」にて、“シン・ゴジラ”にまつわる同人誌を出品すると発表。ツイートでは「コミケでこういう本を出します!!…勝ち負けの真実を伝えるために!!…そしてシン・ゴジラを観て、どういう態度をとったら良いのか、どう打ちのめされるのが正しいのか、細かく手ほどきするために!!」とコメントし、『庵野やめろ! 俺より面白いものつくるんじゃねえ!!』と書かれたイラストを投稿。庵野への敗北について“どう負けたのか”を解説するべく、また友達の良作を応援したいという動機から同人誌発売を思いついたという。

 コミケ当日、島本のブースには長蛇の列ができ、10時の開場から3時間足らずで完売するほどの大盛況ぶり。そしてこの流れは止まることなく続き、“声出し可、コスプレ可、ケミカルライトの持ち込み可”の『シン・ゴジラ発声可能上映会』が8月15日に開催されることに。これは島本がTwitterで「周りの『特撮に対して一言二言持っている』人間を集めて映画館に行き、シン・ゴジラ観ながら『ああ~!!やめろ庵野!!俺の上を行くな~!!!!』と崩れ落ちるまさにあの心境を味あわせてやりたい!!いや、味わってもらいたい!!」とツイートしたことが発端。庵野が島本の願いを叶えるために、東宝に掛け合って実現させたものだという。

 上映当日のチケットは発売から7分で売り切れ、ゴジラや自衛隊、果ては“無人在来線爆弾(電車)”など、様々なコスプレを纏った観客で開場は満たされた。島本は観客に大歓声で迎えられると、「一丸となって『シン・ゴジラ』を盛り上げていきましょう! 伝説に残る上映になります」と呼びかけ、「見せてもらおうか、庵野秀明の実力とやらを!!」と観客と共に唱和して上映開始となった。

 上映中はメインキャストが登場するたびに大きな歓声が上がり、ゴジラが徘徊するシーンでは「ゴジラ頑張れ!」といった声援や、逃げ惑う住民に対して「危ない、逃げて!!」といった声が飛び交い、ゴジラに無人在来線爆弾が向かっていく場面では歓声とともに音楽に合わせて手拍子が起こり、クライマックスに近い某シーンでは「一気! 一気!」と一気コールがかかるなど、相当な盛り上がりに。ゴジラの敗北が決定的になると、「俺たちの勝ちだー!」と勝利の雄たけび。

 上映が終了すると島本が再び登場し、「俺たちは庵野の手の上で転がされていた! 俺たちは庵野に負けたんだ!」とコメント。さらに庵野がサプライズ登場し、島本は庵野に「まだいい作品できる? 今見ていて気持ちいいでしょ?」と問いかけるが、庵野は「極めてニュートラル」と返答。そして「島本、君は負けてないよ全然」と声をかけ、島本が「まあな」というと、2人は握手を交わした。

 この上映会については「なんだこのバカバカしくも熱く感動的な上映会は……行きたかった」「参加できた人がすさまじく羨ましい」「この伝説が生まれる為の負け組になったのなら後悔ナシ。 むしろ誇りだ!」「ライバルって……いいね(感動)」「島本をこれだけ嫉妬させた庵野はいい仕事をしたな」といった声が。

 島本の一方的なライバル視からの敗北宣言、そして上映会での庵野の「負けてないよ」という発言と握手までの流れ。まるで完璧な青春マンガを読んでいるような状況に、ファンは胸を熱くしたようだ。今後も人気が加速するであろう『シン・ゴジラ』と共に、制作が困難を極めている劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』の動向と島本の反応に注目していきたい。

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