オタク文化があるから生き残っている街だった!? “東京オタク”が西のオタク街「日本橋」を調査してみたら……
2017.05.02
■「日本橋ストリートフェスタ」に人が集まった理由
―― やっぱり日本橋といえば、毎年開催されている「日本橋ストリートフェスタ」が有名です。とくにコスプレの盛り上がりはTwitterなどで東京にも届いていました。このイベントが開催されるにあたって、どんなきっかけがあったのでしょうか?
中田さん もともとは商店街を盛り上げるための企画として開催されました。秋葉原みたいな歩行者天国やりたいっていう気持ちが地元の方にあって。ちょうどその時期に梅田や近辺に大型の電気店ができて、そういった大型店に負けないような街づくりをしようと開催したイベントですね。
―― コスプレブースを設けるために道を通行止めにしたりなど、地域の方の理解度がないと開催が難しいイベントのように見えますが、最初は地域の方の反応はどうだったのでしょうか?
中田さん 飲食店は売り上げが上がりますが、昔からご商売されている方もいますし、物販店など、中には営業的に得をしない店もありますのですべてに対して賛成という方ばかりではないです。開催にあたって地元の方に挨拶や説明行きますが、近隣に住んでいる方には、ある程度我慢していただいたり、ご理解いただいている部分もありますね。ただ、浪速区の一大イベントであることで区長が実行委員長となり、地元町会も開催に理解を頂いて会館を利用させていただいたり、市長や町会長もオープニングセレモニーに出席いただいていますので、年を重ねるごとに市民権を得れるようになってきているとは思います。
―― 今年で13回目ですが、来場者数を見ると年々その数字は増えています。何か工夫されたことはあったのでしょうか?
中田さん いち商店街のイベントで、プレスやスポンサーを取ってくることに関しては専門の方がいるわけではないので、意識したことがないんですよ。とりあえず開催しようとすることでいっぱいいっぱいで。その中で、ただ人が増えていったという。ありがたい話なんですけど、人が増えたことによって弊害もありますし、どうしようかなと毎年頭を悩ませながらやっていますね。
―― やはりコスプレが目玉の「日本橋ストリートフェスタ」ですが、今後やってみたいことはありますか?
中田さん イベントに来た人の消費が、あまりこの街で行われていないことに対して、何か対策を講じていきたいですね。やっぱり地域活性化イベントなので。なかなか企画を打つような広い場所がないのが悩みのタネですが。あとは、安全性ですね。年々人が増えていく中で、事件や事故が起きないようにするということについては、とても気をつけています。
―― 日本橋は地域性が強いとのことですが、日本橋独特のオタ文化はありますか?
中田さん 「日本橋ストリートフェスタ」で言うと、人が集まった理由は自由度が高かった点だと思います。ほかのイベントよりも開放的なのか、ビギナーが多いんです。コスプレ初心者が多いので。「やってもいいかな」感があるんだと思うんですよ。
■大阪で地下アイドルはウケない!?
―― 近くにはNMB48劇場がありますが、日本橋にも地下アイドル文化はあるのでしょうか?
中田さん メディアに出る機会が少ないってのもあると思うんですけど、小規模の地下アイドルはたくさんいるんですが、全国で売れている大阪のアイドルっていうは、あまり聞かないってのが現状ではないですかね。僕が詳しくないっていうのもあると思いますが。
―― たしかに、大阪で有名な地下アイドルってピンと来ないです。大阪でアイドルがウケない理由ってあるんですか?
中田さん もともと大阪がお笑いショー文化というのもあると思います。ローカル枠がほぼ芸人で埋め尽くされているという。また、金銭に関して厳しいってのもあるんじゃないかと。アイドル事務所の方に聞くと、関西のイベントでは物販が売れにくいと聞いたことがあります。
―― やはりそうなるとアニメとかの方が盛り上がっているのかなと。
中田さん 大阪でアニメショップが集中している場所は、ここ以外はかなり小規模になりますからね。神戸や、京都も昔は店舗が集中するエリアあった気がしますが、あまり最近ではイメージがないです。
―― そうなると、西のオタクが一堂にやってくる街になっていると。ちなみに、どんなオタクが多いのでしょうか?
中田さん 増えてきているのは、腐女子層じゃないですかね。女性客は増えてきています。東京も一緒だと思うんですけど、男性より女性のが行動力は高いですよね。アイドルに関しても、今は男性地下アイドルも増えてきているので、今後そういったイベントも盛り上がっていくのかなって見ていて思います。