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コミケ幕張メッセ追放事件の悪夢が再び? 千葉市が新たなエロ本規制を計画中

2017.02.15

 取材の中で何度も繰り返されたのは、まだ実施店舗も決まっておらず、実施もモデルケースであるということ。千葉県の青少年健全育成条例との兼ね合いについても、検討をしていないという。

 堺市に担当者を派遣しているものの、極めてザルな雰囲気を感じる千葉市の態度。今後、雑誌協会などから批判があるのではないかと尋ねたところ、こんな答えが。

「雑誌協会と一戦交える気はありません。相手がどう出るかはわかりませんが」

 記者会見では、この施策について「表現の自由」との兼ね合いにも触れている熊谷俊人・千葉市長。ちなみに15年に幕張メッセで開催された「コミケットスペシャル6」にて、千葉市はエロも含めて同人の表現の場としてコミケを支援する意志があるのか? という発言について、こう答えている。

「そこは、なかなか難しいポイントだと思います。文化が進んでいく中で、そういった様相が一定程度進んでいくことは否定できません。とは言いながら、我々も公の青少年の育成を進めていく立場にありますから、表向きはなかなか言いにくいこともあるかと思いますが、そのあたりは水面下で大人の対応をしていくことだと思います。どこまで折り合っていけるかの努力は必要かと思います。私も“なんでもダメ”ではいけないと思いますよ」

 千葉県において「表現の自由」を論じる際に、必ず思い出される1991年のコミケが幕張メッセから会場貸し出しを拒否され、事実上追放された事件。これは、千葉県警がエロ同人の扱いを問題視したことが原因であった。

 やはり、千葉県はエロ表現の鬼門なのか?
(文=昼間たかし)

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