歩きスマホの事故も減少!? 『ポケモンGO』で普及したAR技術が社会と暮らしを変える!
2016.08.27
この夏、世界を巻き込む社会現象となった『ポケモンGO』――。ゲームの面白さもさることながら、『ポケモンGO』を通じてAR(拡張現実)技術の認知と普及が一気に進んだことも見逃せない。今後AR技術は社会をどう変えていくのか。ほんの近い将来に起り得ることを、英メディア「ITV」が解説している。
■AR技術がもたらす7つの変化
『ポケモンGO』で身近になったAR技術だが、今後はマイクロソフトのホロレンズのような、ウェアラブル型のAR端末も登場してくる。このAR技術が今後どのように我々の社会と暮らしを変えていくのか。そのポイントは7つあるという。
●外科手術の成功率が劇的に上がる
現実の物体に映像を重ね合わせる“スーパーインポーズ”によって、外科手術の成功率が劇的に上がるという。AR技術を応用することによって、患者の身体にレントゲン写真を投影させた状態で手術が行なえるようになるからだ。
●家具選びで失敗しない
家具を購入した際、実際に部屋に置いてみると想像より大きかったり小さかったり、考えていたイメージと違ったりということもあるだろう。しかしARが普及すれば、購入前に実物のホログラムを部屋に置いてみることができるため、失敗することがほとんどなくなる。
●設計ミスが大幅に減少する
例えば部屋の改装などを行なう際、設計図を部屋に投影することができるため設計ミスが大幅に減る。
●歩きスマホがなくなる
マイクロソフトのホロレンズのような、ウェアラブル型のAR端末が普及すれば、今までのように下を向いてスマホを操作しなくてもよくなる。危険な歩きスマホが減り、“ポケモン探し”もスマートに行なえる。
●自動車の運転がより安全になる
運転中にカーナビ画面に気を取られるのはきわめて危険だが、ウェアラブル型のAR端末にナビゲーション情報を表示させて自動車を運転することで、より安全な運転が可能になる。もっとも、自動運転車の普及も同時に進むので、運転そのものから解放される日も近いのだが。
●経済効果がある
AR分野の経済規模は2025年には約3.6兆円(360億ドル)に達すると見込まれている(ゴールドマン・サックス調べ)。うまくビジネス上の商機をつかめば相応の見返りを得ることができる成長分野だ。
●しかし現実が煩雑になる
現実世界の光景と一緒にさまざまな映像を目にしながら送る生活は、度を過ぎれば、きわめて煩雑なものになる。使用時間や表示情報量の規制など、ガイドラインが必要になってくるかもしれない。
『ポケモンGO』で一般の人々に知れ渡ったAR技術だが、今後に控えている展開も興味深い。しかもどれもすぐそこの未来の話なのだ。