やっぱ斑目には咲ちゃんだよな! 次号で『げんしけん二代目』が最終回となる今だから読みたい『Spotted Flower』

2016.08.07

『Spotted Flower』(白泉社)第1巻

 大学生のオタクサークル「現代視覚文化研究会(現視研/げんしけん)」の日常とラブコメを描いたマンガ、『げんしけん』シリーズ(作:木尾士目/講談社)。2002年から06年にかけて描かれた『げんしけん』に続き、10年12月号から連載を開始した『げんしけん二代目』が、次号「月刊アフターヌーン」10月号にて完結を迎えることが、7月25日に発売された「月刊アフターヌーン」9月号で発表された。

『げんしけん』『げんしけん二代目』の2作ともTVアニメ化され、OVAもリリースされた人気シリーズが完結を迎えるとあって、ファンもさぞかし落胆したことだろう……と思いきや「まだやっていたのか」「二代目は声優かわって微妙だったからどうでもいい」と、ファンの反応は非常に冷たい。

 単行本レビューにもあるとおり(記事参照)、『げんしけん二代目』は、『げんしけん』きっての人気キャラクターで、「現視研」OBの斑目晴信と、彼を取り巻く「斑目ハーレム」メンバーとの恋路が延々と描かれ続けられたのに比べ、「現視研」の現役メンバーのエピソードはやや手薄。とくに最近は遅々として物語が進まない状況が続いており、「あと1号でちゃんと終わるの?」「二代目とかいいながら初代の斑目の恋愛ばかりメインにやって終わりかい!」「二代目を描ききれないまま終わるとは」といった声が上がるのも、無理はない。

 そんな物足りないとか、「これで本当に終わるのか?」と寂しい気持ちになっているファンやかつてのファンにオススメしたいのが、木尾士目が描く『Spotted Flower』(白泉社)。第一子の誕生を控えたオタクの夫と一般人の妻の夫婦の日常――概要だけ説明すると1行で終わってしまう『Spotted Flower』。だが、キャラクターの名前は明かされていないが、メガネで痩せていて猫背でヘタレな夫に、美人で気が強くオタク知識はないがオタクに対して理解はあるという妻。この主役の2人は、『げんしけん』の斑目と春日部咲と瓜二つに描かれている。

 斑目は『げんしけん』で、高坂という彼氏を持つ春日部咲に告白し、玉砕。一方で『げんしけん 二代目』では、斑目が「もし高坂がいなかったら」と質問すると、咲が「そんな未来もあったかもね」と返す下りもあったりする。『Spotted Flower』は、そんな“もし咲に高坂がいなかったら、あるいは別れていたら”というパラレルワールドを描いた作品(と捉えるファンが多いが、作者からはにおわせるコメントはあるもの、公式コメントはない)。

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