「メタル市場だけで戦うことは考えていない」Mardelasの2ndが聴きやすくて琴線触れまくりなのでインタビューしてみた
2016.06.17
蛇:『Mardelas Ⅱ』では1stよりも各パートの個性をふんだんに活かして、楽曲の振り幅と演奏の自由度が高くなっています。1stアルバムと2枚のシングルの制作や、ツアー、海外公演等、約1年半を経て強化されたバンド力を武器にしつつ、メンバー全員が持っている熱いロック魂を自然体で表現することができたと思っています。
――作詞面のちがいはありますか。
蛇:1stアルバムの詞は文学的に寄っていたところがあるのですが、『Mardelas Ⅱ』は幅広く色んなキャラクターや世界観を表現しています。以前から自分の作詞のテーマとして掲げている、「感情・情念・性」、「日常と非日常の融合」や、自分の実体験を織り交ぜて作詞する手法は変わらないですが、より内から外に向いた歌詞になっていること、また時代設定の現代色が強まっているところが大きなちがいだと思います。
――楽曲面ではどうでしょう。
及:最も意識したのはハードロック・ヘヴィメタルというジャンルの枠に囚われないようにしようということですね。意識したというか、「音楽ジャンルの枠組みを意識しなかった」というのが正確かもしれません。今作では歌謡曲かと思わせてしまうほどの曲もあるんですよ。
――確かに1stに比べてメタル色は薄まった印象です。より聴きやすくなったというか。『HA☆NA☆BI』なんかは、歌謡曲というか中毒性の高そうなJ-popじゃないですか。演奏はかなり難しいことをしていそうなのに、あまりそう感じさせない不思議な曲ですよね。
及:1stアルバムは、メジャーデビュー作というのもあり、名刺代わりの1枚でなければならないと思っていました。だから自然とハードロック・ヘヴィメタルの王道は外さないようにと意識していたんです。それに比べ今作はとにかく良い曲を作りたいという気持ちが強くあって、そこに何も制約は入れたくありませんでした。本当に自由に、自分たちの中にある音楽的ボキャブラリーを駆使して制作したかったんです。
■メタル市場だけで戦うことは考えていない
――CDが売れないと言われるいま、アルバムをリリースしていくことに対して、ミュージシャンとして感じることはありますか。