「メタル市場だけで戦うことは考えていない」Mardelasの2ndが聴きやすくて琴線触れまくりなのでインタビューしてみた

2016.06.17

Mardelas公式HPより
弓田”Yumi”秀明、hibiki、蛇石マリナ、及川樹京(L to R)

 ここ数年、日本のメタル界は女性ヴォーカルバンドが次々とメジャーデビューしていった。その先駆けとなったのはAldiousだろう。彼女たちはメンバー全員が女性のみで構成されるメタルバンドとして、一気に人気を博していった。

 女性メタルバンドは「嬢メタル」と呼ばれる1ジャンルとしてその後確立し(※編注:ボーカルだけが女性のメタルバンドもこれに含まれる)、近いスタイルを持ったバンドがメジャーデビューをしていく。例えばMary’s Bloodであったり、CYNTIAであったり、CROSS VEINだ。なんでもブームになりやすい日本の音楽市場だが、「嬢メタル」もまた1つのムーブメントといえた。

 そして、その最後の波に乗って登場したがMardelasだ。嬢メタルブームは、いまも余波があるものの、落ち着いてきてはいる。波が落ち着いてきたときにどう生き残っていくかが今後、それぞれのバンドの課題となっていくだろうが、Mardelasは勢いを増している。

 2015年に1stアルバム『Mardelas I』をキングレコードからリリースしてメジャーデビューしてからというもの、海外公演やワンマンライブ、イベントなどなど会場も徐々に大きくなってきて、先日おたぽるでもお伝えした通り乙女ゲームへの楽曲提供もした(※参照記事)。シングルを2枚リリースした後(※編注:ただし1枚は会場限定販売)、満を持しての2ndアルバム『Mardelas Ⅱ』を2016年6月15日にリリースした。CD販売が不況の中、前作より1年という短いスパンでのリリースはレコード会社の期待とも取れる。

 今回、アルバムについて全曲の作詞を担当したボーカルの蛇石マリナと、Mardelasの楽曲の多くを生み出すギターの及川樹京にアルバムについてや、音楽業界についてインタビューを敢行した。

――『Mardelas Ⅱ』はメタルバンドのアルバムではありますが、多様のジャンルから影響を感じるバラエティ豊かな1枚に仕上がっていますね。ズバリ注目してほしいポイントはどこになりますか。

蛇石(以下蛇):各曲の世界観をフルに演出する歌詞にはぜひ注目してほしいです。あと各パートの細部まで遊び心が増えたプレイにも注目です。このアルバム自体に、バンドの雰囲気の良さがよく表れているんですよ。

及川(以下及):前作以上に日本的なメロディライン、キャッチーな楽曲になった点と、哀愁のある「泣き」のギターですかね。前作以上に表現力を増したボーカルに張り合う泣きのギターには是非注目してほしいです。

■音楽ジャンルの枠組みを意識しなかった

――Mardelasはメンバーがそれぞれ実力あるミュージシャンであり、表現力という意味では1stから高かったと思いますが、1stと2ndのちがいを分かりやすく説明するとどこになりますか。

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング