「どの層をターゲットにしてるのかよくわからん」2.5次元界隈のイケメン俳優大量起用の舞台版両さんに疑問の声

2016.06.09

舞台『こちら葛飾区亀有公園前派出所』公式サイトより。

 ラサール石井の両津勘吉が帰ってくる!! 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、『こち亀』)の連載40周年を記念して、舞台化が発表された。 脚本・演出、そして主演の両津勘吉を演じるのは舞台版『こち亀』でおなじみのラサール石井。だが、鉄板人気作の久しぶりの舞台化だというのに、なにやら不穏な空気が漂い始めている。

 同作は、2016年9月9日から19日までAiiA 2.5 Theater Tokyoで、23日から25日まで大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。ラサール石井はTVアニメ版『こち亀』で声優を務めたほか、1999年、2001年、2003年、2006年と4度の舞台でも両津勘吉を演じてきただけに、「こち亀といえばラサール石井」「実家に帰ってきたような安心感」「両津勘吉はラサール石井さん以外ありえない!」と、ドラマ版『こち亀』で香取慎吾が演じた両津が想像以上の期待外れだったからなのか、ラサールの両津勘吉は驚くほど受け入れられているようだ。

 今回の舞台『こち亀』は、主演のラサール以外これまでの4作からキャストを一新。新たに、派出所の美男子で中川コンツェルンの御曹司・中川圭一をユージ、秋元貿易の社長令嬢でボン・キュン・ボンなグラマラス美女、秋元・カトリーヌ・麗子を原幹恵が演じる。キャラクタービジュアルもすでに発表されており、青・黄色・ピンクのおなじみの制服をまとった三人に「ラサール石井の両津って本物だな」「ユージも幹恵さんも違和感全然ない!ぴったり!!」「これは期待できそう!派出所でわちゃわちゃしてる三人を早く見たい!!」と大好評。

 そのほかにも、舞台シリーズでおなじみのオリジナルキャラ・向島三四郎を池田鉄洋、麻里愛役を小林由佳、警視庁の誇るエリート集団特殊刑事課の海パン刑事こと汚野武(きたのたけし)を初演から中川を演じていた伊藤明賢が演じる。

 今回の舞台で良くも悪くも注目を集めているのが、青柳塁斗、味方良介、章平、北園涼、福澤侑の若手俳優5人が演じる舞台版オリジナルキャラクター“イケメン特殊捜査部隊「SOT」”だ。2.5次元舞台の先駆けともいえるミュージカル『テニスの王子様』や、乙女ゲームを舞台化し大人気となったミュージカル『薄桜鬼』、現在最もチケットが取れない舞台『弱虫ペダル』などで活躍する俳優を起用したオリジナルキャラクターたちに、一部のファンは大盛り上がり。

 しかし、中には「イケメン軍団必要だった?」「アイアでやるのかよwww」「どの層をターゲットにしてるのかよくわからん」なんて声も。ラサールは、現在、一般社団法人日本2.5次元ミュージカル協会の個人会員も務め、舞台『こち亀』も2.5次元舞台を数多く制作しているネルケプランニングが初演から制作を行っていることもあり、2.5次元舞台として『こち亀』を売り出していきたいのかもしれないが、その売り出し方に疑問を抱いている人は多そうだ。

「2.5ファンから金取れるだろって感じが見え透いてて腹立つ」「2.5次元として売り出すならまずラサールは違うだろ」「主な客層はイケメン目当ての女が9割だからな。しかし、これに女がつれてくれるかどうか……」と、どっちつかずのキャスティングに批判の声が上がっている模様。たしかにイケメン俳優ファンと、『こち亀』ファン層が被るとはなかなか想像しづらい。

 公式サイトが「みなさまの思い描く『こち亀』とは異なるであろうハードボイルド&タフなテイストのビジュアル!!」と煽っているとおり、キービジュアルもバックに大きな火が舞い上がっている。さながらアクション映画のようなものになりそうだ。

 笑えて、泣ける、昔気質の江戸っ子両さんの人情話を見たかったはずなのに、幕が開いたら最近の2.5次元舞台に寄せすぎたきらびやかな作品だった、なんてことにならないといいのだが……。

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