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オタク第1世代は成熟期へと向かう!? 押井守監督、20年越しのSF超大作 『ガルム・ウォーズ』が日本公開!!

2016.05.20

主人公カラに抜擢された新人メラニー・サンピエール。これまで強い女性像を描いてきた押井監督だが、カラは女性的な柔らかさを持ち合わせている。

 押井監督は『押井言論 2012-2015』(サイゾー刊)の中で、『ガルム・ウォーズ』は撮影からポスプロまでトラブルの連続だったと語っているが、ヒロインを演じたメラニー・サンピエールをはじめ、押井作品の熱烈なファンがキャストとスタッフには少なくなく、彼らの理解と情熱によって異国でのハードな製作現場を乗り切ることができた。ポーランドで全編ロケを行なった『アヴァロン』では、キャストを絵コンテと寸分違わぬように動かすことで自分の頭の中に思い描いた世界を完璧に映像化することに押井監督はこだわったが、近年は世代や言語の異なるキャストとのコミュニケーションを楽しみながら作品を生み出すようになっている。かつての押井作品は、それこそ人形のように冷たい肌触りが特徴的だったが、『ガルム・ウォーズ』は戦闘シーンの連続ながらどこか柔らかさや温かみを感じさせるものとなっている。『ガルム・ウォーズ』は押井作品の進化形であり、成熟さの顕われであることに間違いない。

(文・長野辰次)

■『ガルム・ウォーズ』
原作・脚本・監督/押井守 音楽/川井憲次 出演/ランス・ヘンリクセン、ケヴィン・デュランド、メラニー・サンピエール 
配給/東宝映像事業部 5月20日(金)よりロードショー
http://garmwars-movie.com/jp

(C)I.G Films

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