西澤千央のベイスターズ偏愛コラム

【筒香のお尻】第3回「性格良ければいい?」~ロマックの神様~

2016.05.11

横浜DeNAベイスターズの球団マスコット、DBスターマン

 神様はなぜこうもベイスターズファンに試練を与えるのでしょうか。

 楽しいはずのGW、多くのベイスターズファンは、自らが背負ってしまった業に泣いていました。

 去年のGWは楽しかったなぁ。抜けるような5月の青空の下で、久保おじさんがヤクルト強力打線をサクサク打ち取って、三浦おじさんが23年連続勝利を達成して、筒香打って梶谷打って、キヨシおじいちゃんはウキウキで、みんな笑顔だった……よなぁ。帰省した夫の実家でニコ生観ながら「今年は……イケる……」とヨメは上機嫌でした。

 今年のGWも実家で、ヨメは無料開放デーの「阪神×横浜」@甲子園の行方を見守っていました。この日、意外にも打撃好調、エース能美から序盤に3点、中押しで3点と6回まで5点差のリードを守っていました。ピッチャー山口、「2016年は山口史上最強の山口」と自ら豪語する山口です。6回で5点差だったら、「今日はもらった」って思いますよね? 思っちゃいますよね? アレ……思っちゃイケナイの??

 悲劇は7回に起きました。山口史上最高の山口が突如「ストライク入らなくなる山口」病を発症すると、続くピッチャーもその伝統を受け継ぎ、あっという間に満塁。そして息をするように押し出し、気づけば押し出し、ところてんのように押し出されていくランナー。1点取るのは大変なのに、5点取られるのはあっという間。1kg減らすのは大変なのに5kg太るのはあっという間。オマエら中年ボディか!!

 打たれなきゃ打てないし、打ったら打たれる。さらに不幸は重なります。唯一の希望の光、頼みの太綱、ベイスターズに真珠の4番筒香が、わき腹痛で登録抹消……。去年はあんなに上機嫌だったのに、今年はうつろな目で「筒香が……筒香が……」とブツブツ言うヨメ。遠まわしに夫婦関係を心配する義母。おふくろさんよ、おふくろさん、全てはベイスターズのせいなのです。

 筒香がいない、梶谷もいない。

 人は絶望的な状況に追い込まれると、現実から逃げようとします。「この子さえ帰ってきてくれたら……」ありえない夢にすがるしかない未練ババアは、1日5万回くらいこの子のインスタグラムをチェックし、8万回はエゴサしていました。ハマ風に吹かれて美しく咲き誇り、世界を変える予定だった男、グリエル。しかし世界を変えるどころか、横浜に帰らなかった男、グリエル。こちらの追い詰められた気持ちを見透かしているのか、はたまた暇なだけなのか、グリエルはインスタを始めるやいなや、横浜時代のメモリー写真ばかりアップするんですよ。スターマンと踊る俺、山崎憲晴とはしゃぐ俺、サードの守備でカッコイイ俺、「最強打者グリエル横浜上陸」なんて看板になった俺、俺and俺。

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